2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23659956
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
新谷 悟 昭和大学, 歯学部, 教授 (80294429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 誠二 昭和大学, 歯学部, 准教授 (10432634)
椋代 義樹 昭和大学, 歯学部, 助教 (50325099)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 骨 / 軟骨 / 骨再生 / 脂肪幹細胞 / 自家移植 |
Research Abstract |
ヒトの体脂肪組織から、ASCsを抽出・培養した後、物理的刺激を加えて、骨芽細胞または軟骨細胞に分化誘導する検討を行った。具体的には、以下の研究を行った。(1)ヒトの体脂肪組織から、ASCsを抽出・培養した後、物理的刺激を加えて、骨芽細胞または軟骨細胞に分化誘導を検討した。 美容形成外科領域で腹部脂肪吸引手術等で摘出され、破棄する予定の体脂肪組織を使用し、脂肪幹細胞を抽出した。SCsの抽出は共同研究者の美容形成外科医、福岡大太郎博士の診療室に完備されているMEDKANFillerGeller LIPOMAX-SCにて調整した。その後、当科がこれまでにBMPやデキサメタゾンなどの化学物質を使用して誘導成功したものに加えて、低酸素培養器にて低酸素(1~5%)状態に培養ASCsを暴露、骨芽細胞や軟骨細胞に分化誘導するか検討した。また、低酸素暴露での分化確認は特異的遺伝子(II 型コラーゲン、アグリカン, RUNX2、osteocalcin、Osterix等)の発現の有無をreal-time PCR、もしくはwestern blotなどで確認し、分化誘導した細胞の種類を特定した。一定期間培養後形成されたペレットを取り出し, 前述の遺伝子のPCR に加え、グリコサミノグリカン(GAG)量およびDNA 量の測定を行う。 GAG 量の測定はジメチレンブルー(DMB)法でおこない, DNA 量の測定にはHoechst 33258 dye法を用いた。(2)分化誘導した細胞の石灰化能や骨形成能を検討した。 物理的刺激で分化誘導した細胞の分化状態をさらに確認するため通法に従って、アルカリファスファターゼ活性やリン酸カルシウム結晶の沈殿を評価・定量する。以下は当科で化学的刺激で分化誘導したASCsのデータおよび写真である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
美容形成外科領域で腹部脂肪吸引手術等で摘出され、破棄する予定の体脂肪組織を使用し、脂肪幹細胞を抽出する。ASCsの抽出は基本的には過去の報告に従って行うが(Am J Physiol Renal Physiol 289:F31-F42,2005)、共同研究者の美容形成外科医、福岡大太郎博士の診療室に完備されているMEDKAN社FillerGeller LIPOMAX-SCにて調整した。その後、当科がこれまでにBMPやデキサメタゾンなどの化学物質を使用して誘導成功したものに加えて、低酸素培養器BL-40M(BIO-LABO,Tokyo)にて低酸素状態に培養ASCsを暴露、骨芽細胞や軟骨細胞に分化誘導するか検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
一定期間培養後形成されたペレットを取り出し, 前述の遺伝子のPCR に加え、グリコサミノグリカン(GAG)量およびDNA 量の測定を行う。 GAG 量の測定はジメチレンブルー(DMB)法でおこない, DNA 量の測定にはHoechst 33258 dye法を用いた. GAG の産生量は細胞数の増加を考慮してGAG/DNA で示す予定である。すなわち、物理的刺激で分化誘導した細胞の分化状態をさらに確認するため通法に従って、アルカリファスファターゼ活性やリン酸カルシウム結晶の沈殿を評価・定量する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実際の骨再生臨床現場ではドラックデリバリーシステム(DDS)は治療の成功の鍵を握ると言っても過言でない。今回は過去実績のあるコラーゲンジェルを担体として用いる予定である。この担体に分化誘導した細胞を混ぜ、実験動物(ヌードマウス)による骨欠損モデルに移植投与する。移植後、経時的14、30、60日後(骨再生が十分でなければ、観察日数延長も考慮する。)の欠損部の再生骨状態を骨構造、密度、強度測定を行うことで評価する。また、非脱灰標本を作製し、大腿骨をSXA(Single Energy X-ray Absorptiometry)法にて測定する。また、圧縮試験(長管骨の3点曲げ試験)などにより、S-S曲線(応力-歪み曲線)を描出し最大点荷重[N]
最大点伸び[mm]
最大点応力[N/mm²]
最大点歪み[%]エネルギー[N・mm]等骨力学パラメータを算出する。
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Research Products
(1 results)