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2011 Fiscal Year Research-status Report

メバロン酸経路を標的とした破骨細胞回復療法の開発

Research Project

Project/Area Number 23659957
Research InstitutionFukuoka Dental College

Principal Investigator

池邉 哲郎  福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (20202913)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords破骨細胞 / ビスフォスフォネート / 顎骨壊死 / メバロン酸
Research Abstract

ビスフォスフォネート製剤関連顎骨壊死の治療法を目指すために、ビスフォスフォネートによって抑制された破骨細胞の機能を回復させる分子を明らかにすることを目的とした。そのような分子としてメバロン酸経路の中間代謝産物に着目した。破骨細胞前駆細胞であるRAW細胞を培養し、TNFで刺激すると、細胞のRANK発現が亢進した。これは前駆細胞から成熟破骨細胞へ分化したことを意味する。窒素含有ビスフォスフォネートであるゾレドロ酸でRAW細胞を処理すると、TNFによるRANKの発現が濃度依存的、時間依存的に抑制された。また、TNF刺激によってRAW細胞の遊走能が亢進したが、ゾレドロ酸処理によって遊走能も抑制された。これは破骨細胞の骨への遊走がビスフォスフォネートによって抑制されることを意味する。つまり、ビスフォスフォネートは破骨細胞の分化と遊走という重要な機能を阻害することがわかった。しかし、RAW細胞にゾレドロ酸を添加する前に、メバロン酸経路の中間代謝産物であるジェラニルピロリン酸またはゲラニルゲラニルピロリン酸で細胞を処理しておくと、ゲラニルゲラニルピロリン酸処理した細胞でのみ、RANK発現と遊走能が回復することを見いだした。この結果は、メバロン酸経路中のビスフォスフォネートの標的部位よりも下流にある分子はビスフォスフォネートの効果を中和できる可能性を示唆している。 また、マウスの骨髄細胞から破骨細胞を分化誘導する実験系においても、ゾレドロ酸が分化と遊走を阻害し、ゲラニルゲラニルピロリン酸がその阻害から回復させることを示唆する、RAW細胞と同様な結果を得た。破骨細胞の機能としてさらにアクチンリング形成、イオンチャネル機能やpit formationを調べている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

培養細胞(RAW細胞、マウス骨髄細胞)の研究は、RANK発現、細胞遊走などの結果は得られており、計画通りであるが、RANKL刺激の実験とpit formationの結果が得られていない。また、ゾレドロ酸をマウスに静脈注射する実験系において、ゾレドロ酸の効果がまだ得られていない。

Strategy for Future Research Activity

培養細胞を用いて、ゾレドロ酸の破骨細胞阻害作用におけるメバロン酸経路中間代謝産物の中和効果を多様な観点から検証する。その方法として、破骨細胞の機能を、pit formation、アクチンリング、イオンチャネル、酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ、NF-kBを指標として解析する。また、メバロン酸経路代謝産物として、イソペンテニルピロリン酸、ファーネシルピロリン酸の効果も調べる。 マウスにゾレドロ酸を静脈注射した後に歯周病を誘導し、そこに骨壊死を生じさせる実験系を確立し、骨壊死に対するメバロン酸経路代謝産物の予防効果を解析する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度の研究費使用計画 消耗品(試薬、動物、デイスポ器具等)で2,100千円、成果発表のための学会参加旅費200千円、英文校閲100千円、コピー印刷他100千円、を計画し、主として、細胞培養、PCR、イムノブロット、免疫染色などの各種試薬および動物投与薬に効果的に支出する予定である。

URL: 

Published: 2013-07-10  

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