2011 Fiscal Year Research-status Report
リラクシン含有磁気制御型リポソームを応用した新規骨縫合部改造法の開発
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23659963
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森山 啓司 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20262206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川元 龍夫 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50323704)
小林 起穂 東京医科歯科大学, 硬組織疾患ゲノムセンター, 特任助教 (20596233)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 骨縫合部 / ナノテクノロジー / リポソーム / 磁気制御 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
リラクシン(Relaxin)はインスリン様ファミリーに属するペプチドホルモンであり、TGF-βによる細胞外基質の分泌を調節すること、また破骨細胞の分化および機能を調節することが報告されている。リラクシンの受容体として、細胞膜上に発現するリラクシン受容体(Rxfp)1-4、および核内受容体であるグルココルチコイド受容体(GR)が知られている。本研究ではGタンパク質共役型受容体であるRxfp1、2さらにGR mRNAの頭蓋顎顔面領域の発生過程における発現様相を解析することを目的とした。胎生13.5~17.5日齢(E13.5~E17.5)C57BL/6J系マウス胎児頭部の前頭断切片を作製し、ジゴキシゲニン(DIG)標識した各遺伝子特異的RNAプローブを用いたin situ hybridization法により遺伝子発現の検出を行った。Rxfp1、Rxfp2およびGR mRNAはE13.5~E17.5の前頭骨、上顎骨および下顎骨においてほぼ同様に高い発現を認めた。メッケル軟骨において、Rxfp1はE13.5およびE14.4、Rxfp2はE13.5~E17.5、GRはE13.5の軟骨細胞に最も強い発現を認めた。臼歯歯胚においては、Rxfp1、Rxfp2およびGR mRNAは、蕾状期では歯堤に、帽状期では歯堤、エナメル器および星状網に、鐘状期では歯堤、内外エナメル上皮および中間層においてほぼ同様の発現を示した。舌において、Rxfp1、Rxfp2およびGR mRNAはE13.5~E17.5の舌筋およびE17.7の舌粘膜上皮に特異的な発現を認めた。今回明らかとなった骨、軟骨、歯胚および舌におけるRxfp1、Rxfp2およびGR mRNA発現様相から、リラクシンはこれら受容体を通じて頭蓋顎顔面領域の発生過程において重要な役割を担う可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胎生13.5~17.5日齢(E13.5~E17.5)C57BL/6J系マウス胎児頭部の前頭断切片を作製し、ジゴキシゲニン(DIG)標識した各遺伝子特異的RNAプローブを用いたin situ hybridization法により遺伝子発現の検出を行った。発生中の頭蓋骨、上顎骨、下顎骨、メッケル軟骨、歯胚、および舌にこれら受容体遺伝子の発現を確認した。また、予備実験として、マウス胎児頭蓋冠由来骨芽細胞を用いて、リラクシンの至適濃度の検索を行い、平成24年度に行うin vivoにおけるリラクシン投与のための実験条件を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基に、10週齢マウス頭蓋冠矢状縫合及び口蓋正中縫合部に至適濃度のリラクシン磁性リポソームを骨膜下注射後、4000ガウスの磁力を帯びたスチール線を装着した矯正用拡大装置をチタンスクリューにてウサギ上顎臼歯部及び頭蓋冠に固定し、リラクシン磁性リポソーム注入後2日目より8日間拡大を行う。リラクシンの血中への徐放を考慮し、拡大4日目にリラクシン磁性リポソームを追加注入する。対照群として、生理食塩水を注入した群を用いる。拡大終了後、動物を屠殺し、縫合部のレジン包埋切片、および脱灰切片を作成し、形態学的観察、TRAP assayによる破骨細胞出現様相の検索、免疫組織学的検索によるリラクシンおよびその受容体の局在を検索する。拡大部における骨芽細胞の分化状態、及び破骨細胞分化誘導因子であるRANK/RNAKLシグナル経路について免疫組織学的および分子生物学的手法を用いて解析する。約1ヶ月間の拡大部分における骨新生待機期間を経た後、縫合部の拡大量をμCTにて評価する。また、3次元立体構築を行うことで、より詳細に骨形成状態を解析する。以上の研究から得られた骨代謝関連因子としてのリラクシンの作用および磁気制御型リポソームの骨縫合部制御に対する適応の可能性についての結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は、実験動物の使用数が少なく、当初予定していた物品費に対し実支出額が少なかったため、655,005円の次年度使用額が発生した。このうち、300,000円を研究打ち合わせ、成果発表のための旅費に、また355,005を物品費として平成24年度の研究費に追加する予定である。従って、平成24年度は、実験動物及び試薬等物品費に1,605,005円、研究打ち合わせ、成果発表のための旅費に500,000円、成果発表のための印刷費として、50,000円を予定する。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Dental and maxillofacial characteristics in six Japanese individuals with ectrodactyly-ectodermal dysplasia-clefting (EEC)syndrome.2012
Author(s)
Okamura E, Suda N, Baba Y, Fukuoka H, Ogawa T, Ohkuma M, Ahiko N, Yasue A, Tengan T, Shiga M, Tsuji M, Moriyama K.
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Journal Title
Cleft Palate Craniofac J
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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