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2011 Fiscal Year Research-status Report

歯周組織老化誘導病因論の確立

Research Project

Project/Area Number 23659974
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

山崎 和久  新潟大学, 医歯学系, 教授 (00182478)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywordsマウス実験的歯周炎 / porphyromonas gingivalis / 小胞体ストレス / 加齢 / BiP / ATF-4 / CHOP / XBP-1
Research Abstract

本年度は平成24年度に実施予定であった、in vitroおよびex vivo実験を先行して開始した。まず、歯周病原細菌感染が小胞体ストレス応答に及ぼす影響を評価するため、6週齢のC57BL/6マウスにPorphyromonas gingivalis W83株を口腔より非侵襲的に感染させ、歯肉組織における各種小胞体ストレス関連遺伝子の発現を解析した。その結果、小胞体シャペロンであるBiP発現の上昇、小胞体シャペロンを誘導する転写因子であるATF-4発現の上昇、小胞体ストレス誘導性アポトーシスを司るCHOP遺伝子発現の上昇が認められた。一方小胞体シャペロンを誘導する別の転写因子であるXBP1の発現が変動していないことから、本研究においては現在3つほど報告されている小胞体ストレスセンサーのうち、PERKを介した経路の活性化により、CHOP遺伝子発現が上昇している可能性が考えられた。 次に加齢(細胞老化)が小胞体ストレス応答に及ぼす影響を評価するため、2年齢のC57BL/6マウスより肝臓と歯肉組織を採取し、上記と同様に各種小胞体ストレス関連遺伝子の発現を検討したところ、肝臓では6週齢のマウスと比較してBiPとCHOPの発現の減少が見られ、歯肉でもBiP, ATF-4, XBP-1,CHOPいずれの遺伝子発現も低下してことから加齢に伴って小胞体ストレス関連遺伝子発現が低下することが明らかとなった。また、加齢マウスより歯肉線維芽細胞ラインを樹立し、Porphyromonas gingivalis 生菌にて刺激をしたところ、若齢マウス歯肉線維芽細胞においてのみ小胞体シャペロン発現の上昇が見られ、一方加齢マウス歯肉線維芽細胞でおいてのみCHOP遺伝子発現の上昇が認められた。よって加齢細胞においては小胞体ストレス応答が減弱していることが考えられ、疾患との関わりをさらに検討していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前項の通り、平成23年度に予定していた日本人歯周炎患者における細胞老化状態の解析、血中酸化ストレスマーカーの解析の代わりに平成24年度に予定していたin vitroおよびex vivo実験を行い、歯周病原細菌口腔感染により小胞体ストレス応答が亢進することが明らかになり、また加齢により小胞体ストレス応答が減弱することが明らかとなっているため、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後は当初の計画通り、日本人歯周炎患者における細胞老化状態の解析をテロメラーゼ活性の観点から行い、また血中酸化ストレスマーカーの解析も同時に行うこととする。一方、これまでのマウスにおける実験結果より、加齢が歯肉局所での小胞体ストレス応答を減弱させることが明らかとなっており、さらに歯周病原細菌感染が加わることによって小胞体ストレス応答、歯肉組織での免疫応答、歯槽骨吸収がどのように変化するのかをマウスモデルを用いて検討していく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度に使用する研究費の支出項目は以下の通りである。マウス購入費用、動物実験施設使用料、遺伝子発現解析関連試薬購入費用、サイトカイン測定関連費用、細菌培養関連試薬購入費用、血中酸化ストレスマーカー解析経費(外注)、成果発表、情報収集の為の旅費(国内・国外)を予定している。

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Published: 2013-07-10  

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