2012 Fiscal Year Annual Research Report
低分子化合物を用いた新規歯周病治療薬スクリーニングシステムの開発
Project/Area Number |
23659980
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
齋藤 正寛 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (40215562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聡 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40359849)
辻 孝 東京理科大学, 総合研究機構, 教授 (50339131)
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Keywords | 再生 / 歯根膜 / マイクロフィブリル / 創傷治癒誘導 / 低分子化合物 / 弾性線維 / 結合組織 / マルファン病症候群 |
Research Abstract |
マルファン症候群では結合組織の強度を調節する弾性システムが崩壊することで、解離性大動脈瘤、肺気胸、水晶体脱臼、歯周病等の様々な結合組織疾患を発症する遺伝子疾患である。マルファン症候群では弾性システムを制御する微細線維成分の遺伝子変異により結合組織の崩壊が進行する。そのため、劣化した弾性線維を再生する治療技術の開発が求められている。そこでマルファン症候群患者由来の遺伝子変異の多様性に対応可能な弾性線維再生の創薬スクリーニングするため、低分子化合物の作製、ならびに歯周炎モデルの開発を試みた。低分子化合物のスクリーニングシステムを構築するため、人工染色体によるレポーターシステムの構築を試みた。この目的に、ADAMTSL6 βの第1エクソンを含む15番染色体のゲノム配列を由来EFGPに組み換えたレポーターを作製した。そのため、第一エクソンの上流7kbp、下流5kbpをクローニングし、各々をEFGP遺伝子の両端に組み換えた発現プラスミドを作成した。これらの人工染色体あるいはES細胞に導入し、ADAMTSL6 βの遺伝子発現をモニター出来るレポーターコンストラクトを含む発現解析用の細胞の作製を行っている。次に歯周炎モデル実験を確立するために、絹糸を用いた結紮モデルを試みた。歯肉に絹糸を結紮後、骨吸収の状態をμCTで観察した結果、術後3日目に歯槽骨の吸収が始まり、7日目以降で明らかに歯根長の約半分にまで歯槽骨が吸収される歯周炎を発症することが観察された。組織切片を確認すると、術後14日目でmatrix metalloprotease (MMP)-9の発現が明らかに上昇し、また炎症性細胞の浸潤している部分ではfibrillin-1の発現の低下が観察された。この結果より、同歯周炎モデルを用いれば、ADAMTSL6 βの発現誘導低分子化合物のスクリーニングの出来ることが示唆された。
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Research Products
(5 results)