2011 Fiscal Year Research-status Report
体圧分散寝具の圧再分配機能を有効にするシーツの開発―シーツ張力と圧再分配評価―
Project/Area Number |
23660003
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
松尾 淳子 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (10507370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
大桑 麻由美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30303291)
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
岡本 博之 金沢大学, 保健学系, 准教授 (20272982)
紺家 千津子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20303282)
坂本 二郎 金沢大学, 機械工学系, 教授 (20205769)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 体圧分散寝具 / 圧再分配 / ベッドメーキング / 褥瘡 / シーツの伸び / 臀部モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、シーツの張力と圧再分配機能との関係を明らかにし、体圧分散寝具使用時のベッドメーキング法を開発することである。本年度は、伸びの異なるシーツと異なるベッドメーキング法を組み合わせたときに、どのような組み合わせがより圧分散機能の高いものとして現れるのか検討した。 綿、ポリエステル、ストレッチ、パイルの4種類のシーツにおいて伸びの測定を行ない、三平方の定理で合成値を算出した。綿とポリエステルは伸びがストレッチとパイルより有意に小さかった。 5種類のベッドメーキング法(角を作る三角四角法、三角三角法、結ぶ法と角を作らない処理なし法、ボックス法と、エアマットレスのカバーのみのシーツなし)と、伸びの異なる4 種類のシーツの組み合わせで19 通り実験を行った。寝たきり高齢者臀部モデルを2 層式エアマットレスの上に乗せ11 kg の負荷をかけ、1 分毎の体圧分布図を測定した。臀部にかかる最大接触圧、臀部の沈み込みの距離、臀部とシーツの接触面積を組み合わせ毎に測定し評価した。結果、シーツの伸びとベッドメーキング法の組み合わせによって交互作用が見られた。 エアマットレスの圧分散機能を妨げる組み合わせは、伸びの小さいポリエステルと全てのベッドメーキング法の組み合わせ、伸びの小さい綿と角を作るベッドメーキング法の組み合わせ、伸びが大きいシーツと角を作らないベッドメーキング法の組み合わせであった。エアマットレスの圧分散機能を妨げない組み合わせは、伸びの大きいパイルと角を作るベッドメーキング法の組み合わせと、伸びの小さい綿と角を作らないベッドメーキング法の組み合わせであった。よりエアマットレスの圧分散機能を高めるためには、伸びの大きいシーツと角を作るベッドメーキング法を組み合わせて活用すること、また、綿を使用する場合は角を作らないベッドメーキング法にすることが望ましいと示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シーツの張力と圧再分配機能との関係を明らかにし、体圧分散寝具使用時のベッドメーキング法を開発することを目的として、本年度は、伸びの異なるシーツと異なるベッドメーキング法を組み合わせたときに、どのような組み合わせがより圧分散機能の高いものとして現れるのか検討した。伸びの大きいパイルと角を作るベッドメーキング法の組み合わせ、伸びの小さい綿と角を作らないベッドメーキング法の組み合わせが圧分散機能を妨げないことを明らかにすることができた。さらに、シーツの適切な素材とベッドメーキング方法も導きだすことができた。計画通り、シーツの張力と圧再分配の関係についての検証までは、進行することができおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
エアーマット使用における適切なシーツの素材とベッドメーキング法までは示すことができている。体圧分散寝具には、ウレタンフォームなども使用されているため、他のマットレスでも沈み込みが同様であれば、同じ圧分散機能が得られ、この組み合わせが有効になると考える。今後、エアマットレス以外のマットレスにおいても同様に実験を行い検討し、体圧分散寝具使用時のベッドメーキング方法を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
エアマットレス以外のマットレスにおいても同様に実験を行うためには、ウレタンフォームマットレスを購入、さらにシーツも新たに購入し、本年度と同様に実験を遂行する。圧測定用のセンサーシートの、センサーのへたりにより測定結果に影響する可能性が大きい。そのためセンサーシートの購入をし正確に実験を行う必要がある。また、測定には実験のサポートをお願いし、さらに実験に関するスーパーバイスをうけるにあたり人件費も使用する予定である。次年度は最終年度であり、結果報告のため海外への論文投稿、学会発表に研究費を使用していく予定としている。次年度使用額の36,521円は、平成24年度の追加実験の物品購入に使用するため繰越した。
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