2012 Fiscal Year Annual Research Report
体圧分散寝具の圧再分配機能を有効にするシーツの開発―シーツ張力と圧再分配評価―
Project/Area Number |
23660003
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
松尾 淳子 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (10507370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
大桑 麻由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (30303291)
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
岡本 博之 金沢大学, 保健学系, 准教授 (20272982)
紺家 千津子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20303282)
坂本 二郎 金沢大学, 機械工学系, 教授 (20205769)
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Keywords | 褥瘡 / 体圧分散寝具 / 圧再分配 / 寝床内環境 |
Research Abstract |
褥瘡予防において、組織への外力を管理するための圧再分配方法として体圧分散寝具の選択が推奨されている。体圧分散寝具とは、「組織への外力を管理するための圧再分配、寝床内微気候、その他の機能を特別に設計された用具」と定義されている(NPUAP,2007)。体圧分散寝具は、身体を沈めこませ(Immersion)、身体の凹凸に対する順応性を高めることで接触面積を広げて圧を軽減させる(Envelopment)、また、接触面を変化させることで圧を軽減させる(Change in contact area over time) (NPUAP,2006)の3つの機能により圧再分配されている。この圧再分配機能には、シーツやカバーの素材や張りが影響すると言われている。これを、ハンモック現象と呼び、シーツの張力が接触面積を減少させ骨突出部位にかかる圧を上昇させるこの現象が、褥瘡発生の一因ともなりうる。このことから、研究者らは、2009年から綿シーツによるベッドメーキングが体圧分散寝具の圧再分配に及ぼす影響について、工学部との連携で作成した臀部モデル(Matsuo et al,2011)を用いて評価を行った。結果、綿シーツを用いることで沈む距離が小さく、接触面積が減少し、最大接触圧を上昇させ圧再分配に影響していることが明確になった。本年度は第2段階として、シーツの素材とベッドメーキング方法の違いによる圧分散の影響について調査し、パイルとコーナー処理をする方法(マットレスの下に折り込む方法)、綿とコーナー処理をしない方法(マットレスにかけただけ)が圧分散を妨げないことが明らかにした。また、これらの結果を踏まえて、綿シーツ、パイル地シーツ、絹洋素材シーツを用いて、臨床現場での寝床内環境、体圧分散状況を調査中であり、今後さらに検討をつづける予定である。
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