2012 Fiscal Year Research-status Report
舌機能に着目した咀嚼嚥下機能向上支援プログラムの開発
Project/Area Number |
23660016
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂下 玲子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40221999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 健二 独立行政法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (90253898)
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Keywords | 口腔機能 / 舌機能 / 咀嚼嚥下 / 高齢者 / 口腔ケア |
Research Abstract |
本研究は、①咀嚼嚥下障害をもつ高齢者の舌運動の特徴の分析と舌機能評価方法の検討 ②効果的な舌マッサージ法の開発、③舌機能向上に焦点をあてた咀嚼嚥下機能向上支援プログラムの構築、④予備調査の後、開発したプログラムの修正および実施、⑤プログラムの評価と精錬 を行う予定である。 平成24年度は、平成23年度に検討した舌マッサージ法の精錬と介入調査を実施し、その効果を平成23年度に検討した舌機能検査を用い評価した。予備調査において、舌マッサージ法は口腔清掃等他の口腔ケアと共に行うことが有効で現実的であることが分かったので、舌マッサージ法を取り入れた口腔ケアプログラムを設定した。施設長の了解を得て老人保健施設より研究参加者を募集し、十分な倫理的な配慮のもと研究参加への承諾が得られた者を対象者候補とし介入を週1回計4回試行し、介入の前後でその効果を①口腔機能検査(RSST、オーラルディアドコキネシス、口腔関連QOL)②舌機能検査、④認知機能(MNSE)、⑤参加者の主観的評価を実施した。結果として、5名(男性3名、女性2名:76~92歳)を対象に事例介入研究を実施した。すべての対象者で舌機能の改善がみられ、口腔関連QOLも向上したが、RSSTやオーラルディアドコキネシスには変化がほとんどみられなかった。3名で認知機能得点も上昇した。中程度の認知症が疑われた者では、舌マッサージを嫌がられ、参加が得られない時もあった。対象者の環境を整え、心地よさを実感でき、セルフケア能力を引き出せるような関わりをプログラムに入れることが必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に検討した舌マッサージ法を用いた介入プログラムを作成し、介入を行いその効果を、平成23年度に作成した舌機能検査を用いて評価することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究において対象者の環境を整え、心地よさを実感でき、セルフケア能力を引き出せるような関わりをプログラムに入れることが必要であると考えられたので、それらを加えたプログラムの精錬を行い、平成24年度にひきつづき、介入例をふやし、量的な分析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)