2011 Fiscal Year Research-status Report
スキンケアに向けた組織障害のない新しいタイプの消毒薬の検討
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23660017
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 公私立大学の部局等, 講師 (60331807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 一 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80109074)
鈴木 幸子 和歌山県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60285319)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | スキンケア / 感染制御 / 消毒薬 / アルギニン / アミノ酸誘導体 |
Research Abstract |
皮膚に安全で不活化効果の高い消毒薬の開発を念頭に、アミノ酸などの食品及び天然物質のウイルス不活化作用と抗ウイルス作用を定量的かつ網羅的に探索した。市販の消毒薬を対照としてアルギニン、ブチロイルアルギニン、ココイルアルギニンエチルエステル、アミセーフ、アミノソープ、アミライトについて調べた結果、(1)アルギニンとその誘導体は、濃度、酸性pH、温度依存的に単純ヘルペスウイルス(HSV-1)を顕著に不活化した。アルギニンはウイルス増殖も濃度依存的に抑制し、阻害のタイムコースからウイルス感染初期過程にアルギニンの標的があることが示唆された。(2)A型インフルエンザウイルス(IAV)に対してはアルギニン誘導体による不活化が弱いものもあり、ウイルス種により不活化程度が大きく異なることが分かった(Adv. Virol. 2011に報告)。(3)無機酸、有機酸類、アミノ酸類のウイルス不活化作用をHSV-1、IAV、ポリオウイルスを用いて網羅的な検討を行い、不活化と有機酸の種類との関係を明らかにした(Int. J. Mol. Med.2011に報告)。(4)ポリフェノールの一種、カフェ酸のHSV-1不活性化作用と増殖阻害作用を解析した。カフェ酸には不活化作用はないが増殖阻害作用が見出された。作用の第一義的な標的がウイルスゲノムDNA複製の開始以前の感染初期過程にあることも明らかにした(Int. J. Mol. Med.2011に報告)。(5)ウイルス不活化剤としてのアルギニンの属性についてのこれまでの知見をまとめ、組織障害の少ないウイルス不活化剤が角膜ヘルペスや性器ヘルペスのような体表での表在性ウイルス感染に対して治療薬として用いられる可能性を実験例で示しながら論じた。(From the Hallowed Halls of Herpesvirology.2011)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルギニンならびにアミノ酸類縁化合物のウイルス不活化作用については、ほぼ順調に解析を進めることができており、得られた系統的な結果を報文化しつつある。ビトロスキン(人工皮膚)を用いた実験は、研究費の不足により人体への安全性が高いクラスI相当のウイルスを用いてヒトの皮膚上で実験する方向に切りかえる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)今年度の結果に基づいて、日和見感染や院内感染を念頭に危険度の低い微生物を用いて細菌や真菌などの微生物に対する不活化作用の解析を行う。(2)アルギニンの臨床応用の可能性を考えて、人体に塗布しても病原的な影響がないクラスI相当のウイルスを使い、体表に汚染した病原微生物の生存時間を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に必要な機材、器具の消耗品ならびに研究成果発表のための旅費に使用する。備品購入の予定はない。
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Research Products
(19 results)