2011 Fiscal Year Research-status Report
手指衛生アドヒアランス向上のための皮膚保護剤を用いた介入プログラムの実施と評価
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23660019
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
塚本 容子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (20405674)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 手指衛生 / 手荒れ / 医療従事者 / 医療関連感染 |
Research Abstract |
まず今年度は研究の初年度であるので、系統的文献検討を行った。"handhygiene", "Contact Dermatitis", "Healthcare Worker"のキーワードで文献検索を行い(N=29)、内容分析方法を用い、現在まで明らかになっている研究結果を分析した。 本研究は介入研究であるため、前述の文献検討で明らかになったことをもとに介入のための医療従事者用の手荒れ予防パンフレットを作成した。介入の成果は、手指衛生状況及び医療関連感染の発生率で評価する。それらを評価する為、まず手指衛生実施状況のための調査票作成とパイロットスタディを実施した。また医療関連感染発生率に関しては、本研究ではMRSA発生率で評価することとし、そのための発生率の定義を定めた。また手指衛生のアドヒアランス率を求めるための定義も文献検討の結果を踏まえて定めている。以上を協力機関に説明し、サーベイランスを開始した。サーベイランス開始後2カ月であるが、現在までMRSAの発生は起こっておらず、今後継続して実施予定である。 次に手荒れを評価する為、Vapometerを用いた手指の水分蒸散量の測定プロトコールを作成した。水分蒸散量は、さまざまな要因により影響を受けるため、測定のばらつきを最小限にするためプロトコールは必須である。医療従事者約30名に、Vapometerを用いて蒸散量を測定したが、「体温を上昇させる活動後(体を動かした後など)」、「手指衛生実施直後」、「手指に保湿剤を塗布後」、これらの条件が測定に影響を与えることが明らかになった。以上の結果を基に測定のためのプロトコールの作成行っている。 系統的文献検討の結果については、学術誌に投稿予定であり、現在準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実績のところで述べているが、介入評価のためにMRSA発生率を算出しているが、開始2カ月のところ対象とした、医療施設内で発生したMRSAがないため評価することが難しい状況となっている。次の研究の推進方策でも述べるが、研究対象とする医療施設を増やす必要があり、そのための準備が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、本研究の対象とする医療施設または病棟を増やす必要があるため、まずはそのための調整を行う。次年度もMRSAの発生率が低いようであれば、他の病原微生物の発生率も調査することとする。 手指衛生実施状況や手指の水分蒸散量を評価する為の、補助員を確保し、データの収集及びデータ入力を効率的に行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究計画の実施予定、またそれに合わせた研究費の使用計画は以下の通りである。 4月から7月データ収集のための医療施設との調整(必要な消耗品の購入、旅費):8月から10月介入前の医療関連感染サーベイランス及び手指衛生実施状況のための観察調査実施(必要な消耗品の購入及び補助員によるデータ収集お手伝いのための謝金、旅費);10月から12月介入(介入に必要な物品購入-手指保湿剤、手指衛生剤など、旅費);1月から3月 継続したデータ収集と分析(補助員によるデータ入力のための謝金、分析のために必要な統計ソフトの準備、旅費) 3月上旬に本研究の途中までの成果を発表する為の学会参加予定(旅費) 以上が次年度の研究計画予定と必要となる研究費である。
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