2013 Fiscal Year Annual Research Report
拮抗筋の同時収縮作用を考慮した動的要素機能を加味した疑似体験用具の確立
Project/Area Number |
23660020
|
Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
関川 伸哉 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (60326717)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝平 純司 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (00383117)
|
Keywords | 疑似体験用具 / 高齢者 / 動作分析 |
Research Abstract |
背景と目的:疑似体験用具の使用は,高齢者や身体障害者の抱える移動動作上の不自由を理解する上で有効な手段であるといえる.しかし,我々の調査結果によれば現状の疑似体験用具は,高齢者や身体障害者に関する適切な体験を習得することが不可能であり,誤った利用者理解へつながる可能性がある.本研究では,現状の疑似体験用具の問題点を客観的に把握した上で,疑似体験用具装着者が,高齢者の運動機能の変化を実態に即した形で体験でき,かつ装着の容易性・再現性を実現した疑似体験用具の開発を目的とする. 方法:はじめに高齢に伴う身体アライメントの変化に着目し,高齢者歩行の特徴を明らかにした.その後,上記で明らかとなった情報をもとに疑似体験用具の機能仕様を検討し,試作・評価・改良を行った.改良を行う際には,動作計測とフィールドテストの評価結果を参考とした. 結果:複数回の試行を繰り返し,装着の容易性・再現性については概ねの成果を得ることができた.歩行分析の結果からも疑似体験用具装着時は,非装着時と比較し下肢の屈曲,骨盤後傾,体幹前屈位となり高齢者の特徴的なアライメントが再現された.疑似体験用具装着時の歩行時ストライド長は,非装着時と比較し大幅に低下した.また,ストライド長の低下に伴い,歩行速度がと低下した. 結論:従来とは全く異なる装着者自らが高齢者の姿勢を制御する新たな機構を導入することができた.また,タブレット端末の導入により子ども達がゲームを楽しむ感覚で,高齢者疑似体験を実践する可能性が示唆された.一方,3号機ではデザイン性の大幅な改良が得られたものの,動作分析の結果から骨盤後傾位を再現できないことが明らかとなった.
|