2012 Fiscal Year Annual Research Report
“コミュニティ・ナース”養成の必要性と可能性ー生活支援型看護モデルの構築ー
Project/Area Number |
23660025
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Research Institution | 東京有明医療大学 |
Principal Investigator |
金井 一薫(小南きよみ) 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (10215402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 嘉明 東京有明医療大学, 看護学部, 准教授 (20582670)
千葉 喜久也 東京有明医療大学, 看護学部, 准教授 (70326718)
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Keywords | コミュニティ・ナース / 地域ケア / 看護能力 / 地域看護 / ドイツの老年看護師 / 介護福祉士のキャリアアップ |
Research Abstract |
本研究の目的は、子ども・高齢者・障害者が地域で暮らすことを支えるように訓練された”コミュニティ・ナース”を想定し、その養成の可能性を探り、コミュニティ・ナースに必要な資質と能力を具体的に抽出し、人材育成に必要な養成カリキュラムを設定して、今後の看護師教育の中で育ち得る生活支援型の新たな看護師の役割を提言することにある。そのための研究方法として、初年度に調査研究、ドイツ視察を行い、最終年度に教育課程の検討を施行した。研究結果は以下である。 1.調査研究において、地域ケア実践に携わる651名の看護職から意見聴取した結果、現状の能力と期待される能力の隔たりが顕著な項目が明らかになった。それらは虐待防止、人権擁護、相談援助、多職種との連携、障害者や認知症患者のケアなどであった。 2.ドイツの視察を行った結果、ドイツにおいては病院看護師と養成の異なる老年看護師がコミュニティ・ナースとして活躍しており、伝統的な職業教育を大事にしながらも大学教育を視野に入れた資格枠組みを模索中であった。この姿は日本における介護福祉士の進むべき道を示唆している。 3.コミュニティ・ナース養成の可能性を、現看護教育のカリキュラムを踏まえて検討した結果、以下の結論を得た。①4年制看護大学においては、保健師・助産師課程を選択しない学生向けにコミュニティ・ナース養成のためのカリキュラムを作成することは容易である。この場合、卒業時にコミュニティ・ナースとして働くことができる社会的要件の整備が必要である。②社会福祉系大学で「社会福祉士及び介護福祉士」を取得した者に対して、新たに2年課程の専門職大学院の設立を提案する。彼らはすでにコミュニティケアに必要な十分な教育を受けており、看護師国家試験の受験資格に必要な知識と技術を修得すれば、理想的なコミュニティ・ナースとして活躍できる。そのためには今後の法整備が望まれる。
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Research Products
(18 results)