2012 Fiscal Year Annual Research Report
終末期ケアに関わる看護師主導型の各種クリニカル・パスの開発
Project/Area Number |
23660032
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 光令 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90301142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩飽 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50250808)
深堀 浩樹 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 准教授 (30381916)
木下 里美(高野里美) 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (60315702)
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Keywords | 終末期ケア / がん看護 / クリニカル・パス / 看護師 |
Research Abstract |
平成24年度は昨年度の研究成果に基づきLCP(Liverpool Care Pathway)を修正しわが国における看取りのケアのクリニカル・パスを作成した。(1)一般病院に関しては日本語版LCP病院バージョンの有用性を一般病棟で検証する臨床試験を開始し18例のデータを集積した。同時に一般病棟における看護師主導型での運用は困難を伴い、他職種との共同の重要性が明らかになった。(2)在宅ではLCP在宅バージョンを訪問看護ステーションで37例に対して運用した。(3)高齢者施設では昨年度のLCPの後ろ向き適用後のインタビュー・質問紙調査の結果と研究者・老人看護専門看護師2名からのエキスパートオピニオンにより、LCP高齢者施設バージョンを確定した。(4)小児ではLCP小児バージョン日本語訳を用いて、小児専門病院あるいは小児がんを診療する病院に勤務する看護師21名に対してインタビュー調査を行い、小児バージョンを確定した。(5)ICUではLCP ICUバージョンを翻訳後、日本語版を作成し、実施可能性について5名のICU看護師にインタビュー調査を行い日本語版を確定したが、わが国の現状ではICUバージョンの利用は困難を伴うと予想された。(6)急性期緩和ケアの症状コントロールと早期退院のクリニカル・パスは緩和ケア病棟においてパイロットスタディを継続して行ったが、調査対象病院の病院移転に伴い進捗が遅れ確定にはいたらなかった。上記の結果より、2年間でLCP病院バージョン、在宅バージョン、高齢者施設バージョン、小児バージョン、ICUバージョンが確定した。しかし、同時にわが国の終末期ケアの現状では看取りのケアのクリニカル・パスを看護師主導で運用することは困難も伴い、それぞれの臨床の場にとってより有効に運用できるように、今後、試用を重ねながら評価を行う必要があることが明らかになった。
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