2011 Fiscal Year Research-status Report
生活に即した経口抗がん剤投与管理能力を促進する看護支援の創成
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23660035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50326302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田墨 惠子 大阪大学, 医学部附属病院, 看護師長 (80572312)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 経口抗がん剤 / 投与管理能力 / アドヒアランス / コンプライアンス / がん患者 |
Research Abstract |
【研究目的】平成23年度は、経口抗がん剤治療をうける患者の生活に即した投与管理能力の構成要素について明らかにするために、経口抗がん剤治療をうける患者を対象にした調査を行い、生活に即した投与管理能力の構成要素について明らかにすることであった。【研究方法】経口抗がん剤治療をうける患者の生活に即した投与管理能力の構成要素について明らかにするためにまず、国内外の文献検討を行った。31文献を選択し、構造化抄録を作成した。文献検討を進めるうちに演繹的に投与管理能力の構成要素が抽出できることが明らかとなった。また、文献検討から、経口薬の服用は飲み忘れが多いことが明らかになったため、乳がん患者を対象に行った自記式質問紙による調査データを分析し、経口薬の服薬状況について検討した。【結果】1.演繹的に導き出した経口抗がん剤治療をうける患者の生活に即した投与管理能力の構成要素は、「問題解決」「意思決定」「自己治療(self-treatment)」「自己モニター(self-monitaring)」「リソースの活用」「自己管理(self-management)」であった。2.O市内の乳がん患者会、およびBクリニックの乳がん患者の勉強会の参加者を対象にの質問紙調査の分析を行った。経口薬の服薬状況は、服薬の飲み忘れがある者:44名(68.8%)、服薬の飲み忘れがない者:20名(31.2%)であった。服薬の飲み忘れがある者のうち、まれに忘れる:28名(43.8%)、たまに忘れる:12名(18.8%)、時々忘れる:3名(4.7%)、よく忘れる:1名(1.6%)であった。【今後の課題】看護師が経口抗がん剤治療を行っている患者の生活に即した投与管理能力をどのような視点でとらえているのかを明らかにしていき、投与管理能力のアセスメント指標を完成していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
演繹的な抽出方法を用いて、経口抗がん剤治療をうける患者の生活に即した投与管理能力の構成要素が抽出できたことから、平成24年度の計画はほぼ順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた患者へのインタビュー調査を取りやめたため、23年度の研究費に未使用額が生じたが、24年度は看護師への調査と共に、23年度に抽出した投与管理能力の構成要素について患者も対象にした質問紙調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は、経口抗がん剤治療の患者の投与管理能力支援に必要な看護師側の要素を明らかにする。また、23年度に抽出した投与管理能力の構成要素について患者を対象にした質問紙調査を実施する。これらを統合して、投与管理能力のアセスメント指標を明らかにし、がん看護専門看護師に依頼して内容妥当性の検討を行う。5月 倫理委員会申請準備、6月 研究倫理委員会申請、承認後調査開始、11月~12月データ分析、1月 がん看護専門看護師によるエキスパートパネルの実施。
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