2013 Fiscal Year Annual Research Report
生活に即した経口抗がん剤投与管理能力を促進する看護支援の創成
Project/Area Number |
23660035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50326302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田墨 惠子 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (80572312)
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Keywords | 経口抗がん剤 / 投与管理能力 / 曝露予防 / アドヒアランス / がん患者 |
Research Abstract |
【研究目的】調査①経口抗がん剤治療をうける患者と家族の投与管理の実態について明らかにした。その後、調査①から得られたデータを元に患者教育に必要なマテリアルを作成し、エキスパートによって内容妥当性を検証した。 【研究結果】無記名の自記式質問紙調査を実施し、回収は郵送で行った。実施施設の倫理審査委員会の承認後に実施した。患者は100名に配布し79名から回答を得た(回収率79.0%)。年齢は66.0 ± 10.4歳、51名(64.6%)が男性、有職者が26名(32.9%)。服用期間は22.1±34.5ヶ月であった。66名(83.5%)が正しい内服方法を実行できていると回答した。24名(30.4%)は飲み忘れた経験があったが、飲み忘れた場合の対処法を知っていると回答した者は42名(53.2%)にとどまった。さらに、約半数の対象が、他の薬剤や食物の相互作用、治療中止時や終了時の経口抗がん剤の処分方法を知らなかった。曝露予防に関しては、内服前後に手洗いをしている者は25名(31.6%)のみであった。家族は、100名に配布を依頼し51名から回答を得た(回収率51.0%)。対象は患者の配偶者が最も多く41名(80.4%)であった。平均年齢は61.0(SD=12.8)歳であり、35名(68.6%)が女性、有職者は16名(31.4%)であった。経口抗がん剤の内服・管理に関わっていると回答した者は38名(74.5%)おり、内服の準備や確認、内服後の片付け、保管、残数確認などを行っていた。 【考察】患者の知識や実際の行動と認識の間にはズレがあり、実際には、飲み忘れや十分な曝露予防が行なえていなかった。服用にあたり、必要な指導内容を精錬し安全に正確に内服してもらうために、看護師は投与管理の注意点を具体的に説明するとともに、患者の投与管理能力を詳細にアセスメントする必要性が示唆された。
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