2011 Fiscal Year Research-status Report
北東北のがん看護認定看護師が協同するがん患者サポートグループ運営システムの構築
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23660039
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
織井 優貴子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (50285681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長内 志津子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (70458165)
大崎 瑞恵 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (70525948)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 筆記療法(Writing) / がん看護認定看護師 / 北東北地区 / がん患者サポートグループ運営 / ファシリテータ養成講座 / がん患者のサポート / ファシリテータ養成講座 |
Research Abstract |
本研究は、北東北における医療相談システムとして、がん患者へのサポートグループ運営に関わるファシリテータの育成と、サポートグループ運営プログラムの構築を目的とする。具体的には、北東北で、がんに関連する認定看護師を中心としたサポートグループを立ち上げ、コミュニケーションスキルトレーニングをおこない、ファシリテータの育成と地域開放型がん患者サポートグループを構築することを目的とする。本年度の実施は以下の通りである。1.2005年に全国の地域がん診療拠点病院(当時)150施設を対象として行った「医療相談室に関する調査」をもとに、がん対策推進基本計画が策定された現在、全国的にどの程度整備されているかを追跡調査し比較検討した。その結果を、第26回日本がん看護学会(2012年2月、松江市)にて実態調査として報告した。2.北東北(青森県、岩手県、秋田県)の医療施設に通院/入院患者を対象とし、地域開放型サポートグループのニーズ調査の実施計画を行った。まず、第一に、北東北のがん診療拠点病院でがん看護に関連した認定看護師の資格を持つ看護師に、本調査の説明会を実施し、調査用紙の配布、回収の際に担当者となっていただくことの承諾を得た。(東日本大震災の影響を考慮し、具体的な調査は平成24年度から行うこととした。)質問紙の構成は、年齢、性別、居住地域、がんの部位、診断されてからの期間等の基本的なデータと、FACT-SPを用いて構成した。調査対象は、がん診療連携拠点病院の外来に通院している患者とし、一施設あたり30名の協力を呼びかけ、15施設(約400名)を目標とする。3.地域開放型のがん患者サポートグループを運営できるファシリテータ養成講座に対する各地区の要望と開催時期について八戸市、盛岡市において説明会を開催し(平成24年3月実施、26名参加)、平成24年度6月、11月の2回開催予定として計画をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象地区を「北東北」としたことから、東日本大震災の影響を考慮し、採択当初より調査研究を進める計画としていたが、がん診療連携拠点病院およびそこに通院するがん患者を対象とした調査協力依頼、がん看護に関連した資格を有する看護師への調査協力依頼等を10月まで控えていた(研究者代表者も間接的に被災したことから、研究に取りかかる時期が遅れた)。 その間、全国の地域がん診療拠点病院(当時)を対象として行った「医療相談室に関する調査」をもとに、がん対策推進基本計画が策定された現在、全国的にどの程度整備されているかの追跡調査は開始していたため、その調査結果を分析し、学会発表の準備を進め、成果として発表することは出来た。平成23年10月以降、北東北のがん診療連携拠点病院の診療状況や復興状況をホームページ等で確認した後、平成24年3月中旬に、北東北のがん看護認定看護師を対象とした本研究についての説明会を開催することが出来た。説明会では、北東北のがん看護認定看護師に研究協力者としての依頼、ファシリテータ養成講座についての開催地、内容、開始時期等について見通しをたてることができた。また、地域開放型がん患者サポートグループのニーズ調査用紙の検討、及び調査開始時期の検討を重ね、平成24年度から研究を進められるようにまで調整することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.「がん患者サポートグループのためのファシリテータ養成講座」のアドバンストコースを実施し、北東北のがん患者サポートのためにファシリテータの本格的な育成に着手する。ファシリテータ養成講座は、青森、岩手、秋田それぞれの地区で2回開催することができるように調整する。また、地域特性のある場合には、地域特性を考慮して講座を運営する。2.北東北のがん診療連携拠点病院に通院する患者を対象とした「がん患者の地域開放型サポート」に対するニーズ調査を実施し、北東北のがん患者は、「地域開放型サポートグループ」の要望があるのかどうかを検討する。調査結果を基に、「地域開放型サポートグループ」よりも個別支援の要望が強い場合には、個別支援も可能なプログラムを検討する。3.平成24年度は、「地域開放型がん患者サポートグループ運営プログラム」に対する要望をまとめ、サポートグループ、または、個別支援運営プログラムを構築し、協力者施設を募り、当該施設の倫理委員会にて審査を受けた後、実施、評価、修正を繰り返し、「地域開放型がん患者サポートグループ運営プログラムモデル」を開発する。4.北東北のモデル地区(それぞれの県で1カ所以上)とし、対象となる県内(あるいは院内)で運営可能な、地域開放型の支持・感情表出型のがん患者サポートグループの運営プログラムモデルを活用して運営を試み、その効果を検証する。5.「地域開放型がん患者サポートグループ」に対する調査、ファシリテータ養成講座とその効果等について、国外の情報収集および研究最終年度のまとめを行い、成果発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・設備備品費(23年度より繰り越し:小型軽量プロジェクタ 1台、小型軽量モバイルスクリーン 1台、唾液アミラーゼモニター 3台、データ保管用小型パソコン 1台、関連図書)約70万円・消耗品費(コーピー用紙、封筒、データ保管用外付ハードディスク 2台、唾液アミラーゼ用チップ10袋)約10万円・旅費:国内旅費(、ファシリテータ養成講座(2回実施予定)研究協力者の交通費20名分×@10000円)、国内学会参加旅費(青森→沖縄(2名分)、青森→熊本(2名分)、青森→東京(3名分)、青森→金沢(3名分)、国外研修旅費40万円(アメリカ)・謝金等:「地域開放型サポートグループのニーズ調査」(約500名を対象)としての調査協力謝礼[一人当たり500円以内]・その他、消耗品(事務用品、唾液アミラーゼ測定チップ)、調査郵送費、会議会場借用費(八戸、盛岡)、通信費、翻訳校閲費
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Research Products
(2 results)