2013 Fiscal Year Annual Research Report
レーザスペックル血流画像化法を用いた糖尿病足病変患者のフットケアに関する研究
Project/Area Number |
23660043
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
張替 直美 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10238206)
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Keywords | 二次元血流計 / 糖尿病足病変 / フットケア / 慢性病看護学 |
Research Abstract |
【1.研究背景と目的】レーザスペックル血流画像化法(以下二次元血流計)は、従来の光ファイバーを用いた血流計が一点の血流変化を測定することに対し、二次元の拡がりのある生体表面の血流分布を可視化できる特長がある。このシステムは、形成外科の皮弁移植手術の際の血流監視や消化器内科の内視鏡で胃粘膜の血流を画像化する研究に利用されてきた。近年、眼科領域で眼底血流測定に関する多くの研究論文が報告されている。本研究の目的は、この機器が糖尿病足病変患者のフットケアの循環動態測定への有用性を検討する事である。 【2.研究方法と結果】平成23年度は健康人12名を対象に、二次元血流計(アドバンス社LFG-1-W)を用い温熱刺激前後3回測定し、サーモグラフィ(NEC多機能サーモグラフィR300)と比較検討した。右足首と足指の付け根を長径、長径の中間地点を短径とした楕円および右第1指の皮膚血流と表面温度の平均値を求め、座位安静後の値を基準として変化率を算出した。平成24年度は健康人8名を対象に、ウオーキングマシーンを用い時速5km・10分間の歩行前後に4回測定した。その結果、二次元血流計による測定はサーモグラフィによる表面温度とは異なる末梢循環動態を反映した。画像からは微細な血流変化が可視化でき、色調が環境温度に影響を受け難く、冷え性の人の足先や発汗時の測定が可能であった。平成25年度は、透析患者(うち糖尿病3名)9名と糖尿病患者4名の測定を平成25年2月、8月、平成26年3月の3回に渡り実施し、Fontaine分類や病状との関連から検討した。ABI改善や腎機能低下および足浴により数例に血流変化が認められた。 【3.研究の成果と今後の展望】 健康人および糖尿病患者の測定からフットケアにおける二次元血流測定の有用性が示唆されたが、今後継続測定を行い検討を重ねる必要がある。
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