2013 Fiscal Year Annual Research Report
生殖組織/配偶子の凍結に対するがん患者の意思決定支援のあり方に関する研究
Project/Area Number |
23660046
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
野澤 美江子 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (40279914)
|
Keywords | がん患者 / 意思決定支援 / がん医療 / 生殖医療 / 妊孕性温存 |
Research Abstract |
本研究は、がん医療と生殖医療が協働で取り組む、生殖組織/配偶子の凍結に対するがん患者の意思決定支援の在り方を探求することを目的としている。本年度は、がん治療施設における生殖組織/配偶子の凍結に関するがん患者支援の様相を明らかにするために、全国のがん診療連携拠点病院に勤務する乳腺専門医372人、血液専門医551人を対象に無記名質問紙調査を行った。456部回収、有効回答455部(有効回答率49.2%)であった。性腺機能障害に対する情報提供を全員に行っている医師16.9%、妊孕性温存に対する情報提供を全員に行っている医師9.7%の一方で、説明していない医師はそれぞれ9.2%、5.3%であった。性腺機能障害及び妊孕性温存に対する情報提供を行うことに影響している因子は、血液専門医、対象者が未婚であることが影響していた。妊孕性温存に関する情報提供は口頭のみで済ませている医師が82.4%で、相談を受けた際には自分で対応するものの対応困難な経験を3割の医師が持っていた。また看護師との連携については、がん化学療法看護認定看護師、がん看護専門看護師等のがん看護領域の看護師との連携は見られるものの、不妊症看護認定看護師との連携を持っている医師は少なく、連携している看護師がいないと答えた医師も1/4存在した。 これまでの結果をふまえ、生殖組織/配偶子の凍結に対するがん患者の意思決定を支援するシステムとして、生殖機能障害及び妊孕性温存に対する情報提供のタイミング・内容・方法(媒体の活用も含め)、看護職も巻き込んだ医療者間の連携について検討した。 また、がん患者の意思決定を支援する医療者及び患者・家族のリソースとして、webサイト「がんと妊娠を考える」を構築した。そこでは、上記の調査結果の公表に加え、意思決定を行うために活用できる情報を掲載している。
|
Research Products
(1 results)