2011 Fiscal Year Research-status Report
高機能自閉症児の母親のソーシャルサポート及び理解向上のための支援ガイドの検討
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23660071
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤田 千春 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70383552)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 家族支援 |
Research Abstract |
今年度(23年度)は高機能自閉症の学童を持つ母親のソーシャルサポートの体験について半構成的面接調査を行なった。調査対象者は高機能自閉症と診断され、普通級に通う学童(1~4年生)の母親19名であった。調査内容は(1)児の診断や療育の経過、(2)幼児期に受けられたソーシャルサポートと受けたかったソーシャルサポート、(3)就学後に受けたソーシャルサポートと受けたかったソーシャルサポート等であった。面接調査で得られた音声データを逐語録化し、質的帰納的に分析を行った。分析に際しては母子保健の研究者にスーパーバイズを受けながら、信憑性と妥当性の確保に努めた。その結果、就学前、就学後、全般と時期別のソーシャルサポート及び、得られなかったソーシャルサポートが抽出された。特に就学後は受けられるソーシャルサポートが減少していた。また地域の人々からの理解不足だけでなく身近な人々からの理解不足が明らかになった。さらに、児が困った時に少し手を差し伸べてもらえる人の不足が見出された。これらのことから、高機能自閉症児とその家族の思いが理解されるような地域の人々への学習会の必要性が明らかになった。また、専門職でなくても高機能自閉症の児を理解して手助けしてくれるボランティアの必要性についても明らかになった。 上記の研究を小児保健の学術雑誌に投稿するため現在執筆中である。今回の調査結果をもとに24年度では、高機能自閉症の学童を持つ母親のソーシャルサポートの構造を量的に明らかにしていくこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的にある、高機能自閉症の学童を持つ母親のソーシャルサポートの体験を質的に明らかにすることができた。結果から就学前と就学後に得られるサポートの違いが明確になり、支援の示唆が得られたことや、最終的(最終年度)な計画にある、高機能の自閉症の児と母親への理解向上と支援に繋がる学習会ガイド作成の基礎資料になりうるものとなった。 現在は、小児保健の学術雑誌に投稿するために執筆中であり、計画の中に含まれていることは概ね達成されていることより上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方向性としては、質的研究で母親が体験したソーシャルサポート(実態)が明らかになった。しかしながら、質的研究の結果のみでは一般化が難しい。今後の適切な支援プログラムの基礎資料とするために、今回の質的研究の結果を量的にも検証、確認し、高機能自閉症がある学童をもつ母親のソーシャルサポートの明確化と構造の確認を進めて行こうと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
量的調査を行うため、調査用紙を多数印刷するプリンターの購入、調査用紙及び送付に用いる用紙・封筒の消耗品の購入を予定している。また、多くの対象者(500名)への調査を予定しているので、関係施設の対象者だけでなくインターネットでの募集も必要時検討していく。調査後は業者に集計を依頼し分析していく。調査項目の参考と執筆時の参考に文献購入及び文献複写を進めて行く予定にしている。
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