2013 Fiscal Year Annual Research Report
子どもを産まない世代の身体観を踏まえた「女性の健康支援」に関する研究
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23660072
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
田邊 けい子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (00453506)
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Keywords | 生殖 / 女性 / 身体 / 健康 / 少子化 / 健康支援 |
Research Abstract |
平成25年度の研究概要は以下の通りである。 前年までの研究成果から「生殖をめぐる関心が低かったり意思決定においては曖昧で流動的、かつ、生殖や身体に関する観念や行為が女性の生物学的な身体には基づかない状態」によって生じている現象、およびそうした身体である人々の双方を「生殖から離れている身体」と名づけた。 最終年度である平成25年度は「生殖から離れている身体」である人々に対する健康支援を検討するため、研究成果の一部を国立民族学博物館研究プロジェクトや第29回日本助産学会学術集会で報告し、助産学や看護学にとどまらず医学、社会学、文化人類学など、学際的見地からの示唆を得た。すなわち、ことの是非は別としても、わずか100年ほど前の日本では、女性が結婚をして子どもを産むことは当たり前と考えられており、しかも,社会全体がそのように女性を見なしていただけではなく,女性自身もまたそのように考えていた。しかしながら、少子化という言葉の定着が示すように「子どもを産まない」女性たちは年を追うごとに確実に増加している。こうした社会状況の変化を背景として,現代の女性たちの生殖観や身体観に焦点を当てて、時節にマッチした「女性の健康支援」の在り方を検討した本研究課題は一定の評価を得た。 これらの示唆や評価を踏まえて、現在は2編の学術論文を執筆している。これらの論文によって本研究課題の成果を公開する見込みである。
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Research Products
(5 results)