2011 Fiscal Year Research-status Report
インターネットによる子育て支援方法の構築に向けた研究
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23660083
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
井田 歩美 関西福祉大学, 看護学部, 助教 (70549203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 典子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70225639)
猪下 光 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (30223291)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | インターネット / SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス) / 母親 / 育児 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究の遂行にあたり、所属機関における倫理審査委員会の承認と共同研究機関への研究概要説明、共同研究契約の締結に向けた諸手続きを行った。インターネット利用によるSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)上の書き込み内容を、看護研究のデータとして扱うことは、未だ看護における研究では先駆的であり、かつ希少であるため、倫理審査委員会による研究実施の許可を得ることは容易ではなかった。研究実施可能か否かの論点は、(1)SNSに書き込みを行った対象者に対して個人情報の保護は遵守できるのかということ(個人情報保護法への抵触の有無)と、(2)書き込まれた内容(データ)の帰属権を侵害しないのかということであった。結果、(1)に対しては、対象者である母親の育児に関する書き込み内容を分析する際は、個人情報の範疇に該当しないよう、日本語解析エンジンTM studio:Text Mining Studio3.2を使用して、個人が特定できない単語として切片化した上で分析することにした。さらに、情報社会における法を専門のひとつとする研究者に見解を求め、前述した方法に問題がないことを確認した。(2)に対しては、データを収集するSNSを、日本最大級の女性口コミサイト『ウィメンズパーク』とし、その管理者である株式会社ベネッセコーポレーションを共同研究機関として、契約を取り付けた。以上より、本研究の実施について、所属機関の倫理審査委員会より倫理的に問題はないものと判断され、実施可能であるとの承認を受けた。一方、子育て中の母親のインターネット利用の実態を調査した既存の研究成果を学会発表により公開した。現在、論文も投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新奇的な研究であり、倫理審査委員会の許可を得るのに時間を要した。しかし、研究を進める上で、慎重を極めるべきところであり、致し方ないと考える。さらに、膨大なデータを分析するため、分析方法を再度検討する必要が生じた。そこで、文献検討のやり直しを行い、見出した新たな分析方法については、セミナーに参加し、導入可能かの検討を行った。また、共同研究機関である株式会社ベネッセコーポレーションとの契約についても、研究協力は得られたものの、内容の詳細を決定するのに思いの外時間がかかった。現在のところ、当初の計画より遅れているが、今後、挽回したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
株式会社ベネッセコーポレーションとの共同研究契約の締結を完了させ、早期にデータを取得し、分析に入りたい。数万件という膨大なデータを扱うことに不安もあるが、適時、適切なスーパーバイズを求めながら、円滑な遂行を心掛ける。研究成果は、即時にまとめ上げ、研究論文として発表していくよう努力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.大容量パソコンの購入を検討:膨大なデータを分析するため、CPU、メモリ(RAM)、ストレージ(HDD)など性能の優れたものが必要である。2.共同研究機関である株式会社ベネッセコーポレーションとの研究打合せのための出張旅費が必要である。3.研究成果を学会で発表するための出張旅費が必要である。
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