2011 Fiscal Year Research-status Report
性暴力被害者への司法看護ケアにおける技術能力向上のための教育に関する研究
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23660086
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Research Institution | St. Mary's College |
Principal Investigator |
竹元 仁美 聖マリア学院大学, 看護学部, 准教授 (10310913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 八千代 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (10295149)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 性暴力被害者ケア / 司法看護 / 技術力 / SANE / 性暴力被害者支援看護師 / 証拠採取 / 急性期ケア |
Research Abstract |
平成23年度の研究計画では福岡県及び近隣の病院設で、看護者の性暴力被害者に対する司法看護ケアに関する知識・技術・態度等の予備調査を実施するための準備を行った。司法システムの異なる先進国であるアメリカの各州では、性暴力被害者支援のエキスパートとしてSANE(Sexual Assult Nurse Examiner)が活躍しており、特に司法に関するケア、起訴し裁判に勝つための証拠採取・保管、記録、法廷での証言等を行っている。日本での司法看護ケアの在り方を方向づけるため、SANEの司法看護における役割について、研究者間で詳細に検討を行った。その際、司法システムの異なる本邦での実践可能な司法看護ケアに関して、特に司法看護の特徴である加害者を起訴するための証拠採取について詳細に検討した。 検討の結果、まず、性暴力被害者への司法看護ケアを担い、医療と司法の橋渡しをする役割を遂行するために、(1)性暴力被害者のおかれた状況、(2)性暴力被害者が抱える身体的・心理社会的問題、(3)司法的証拠採取に伴う問題、などの理解が基盤知識として不可欠であることがわかった。つぎに、司法看護ケアのケアモデルとしてWomend-centered Care(McGregor,2009)、および性暴力被害直後の急性期の医療ケア(Psychological First Aid:PFA)の有効性が認められ、これらの概念をケアの1つの柱として取り入れることになった。さらに、司法看護的証拠採取を行うことが被害者が治癒していく過程における1つのケアにつながることなどの示唆を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主任研修者および分担研究者の関連する施設への研究協力依頼や承諾の進捗が予定より遅れているために、予備調査の開始が遅くなっている。また、米国におけるSANE(Sexual Assault Nurse Examiner:性暴力被害者支援看護師)が本邦の司法看護のモデルとして有効であると認められたため、研究者間で詳細な検討を行ったこともスケジュールに影響を及ぼしたと考える。その他、特に大きな問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査の結果をもとに、司法看護における証拠採取スキルおよび急性期ケアスキルを向上させる司法看護ケアスキルを向上させるプログラムを作成する。看護職を対象としてプログラムを実施し、プログラム前後の知識・技術・態度の比較検討を行う。結果を修正し、所属機関をスキルラボ拠点として運用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
【平成24年度の研究計画】1)予備調査(質問紙調査等)の実施:質問紙調査実施、集計、分析2)司法看護ケアスキル向上プログラムの構築:司法看護にフォーカスした技術教育 プログラムを作成し、研究協力を得られた看護職に部分的な運用の準備をする3)スキルラボ設置の準備:司法看護技術の演習用スペース設置の準備をする4)研究結果の進捗状況をまとめる(紀要等に投稿)
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Research Products
(1 results)