2011 Fiscal Year Annual Research Report
薬物依存症の患者の地域生活における実態と訪問看護による回復過程の研究
Project/Area Number |
23660088
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中谷 陽二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30164221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
渡邊 敦子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教 (80331346)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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Keywords | 薬物依存症 / 訪問看護 |
Research Abstract |
薬物依存症の患者に対する地域支援活動を積極的に行っている精神科診療所の患者のうち、訪問看護利用経験者20名、訪問看護利用非経験者12名を対象とし、(1)主治医の診察による患者の機能の全体的レベルの評定、(2)調査票を用いた他記式調査による心理状態の測定、(3)調査票を用いた訪問看護に関する要望や意見についての自記式調査を行った。また、(4)現在訪問看護を利用している患者のうち8名に対し、訪問看護の支援内容に関する面接調査を行った。 前述の調査対象となった精神科診療所は、薬物依存症の自助グループである日本ダルク(Drug Addiction Rehabilitation Center)との関連がとりわけ深く、全国的な薬物依存症の訪問看護に関して一般性や共通性が高いとは言えないため、同じく薬物依存症の患者に対する地域支援活動を積極的に行っている精神科病院において、上記(2)(3)と同様の調査を行った。 調査票により、薬物依存症の患者の訪問看護やその支援内容についての認識が全体的に把握でき、面接調査によりそれぞれの利用者が訪問看護による支援に求めていることが具体的に示されただけでなく、これまで詳細には把握できていなかった薬物依存症の回復過程についての知見を得ることができた。これらの結果の検討から、患者の回復過程やその時の状況に対してより適切な支援を提供することが可能となった。 異なる2つの医療機関による比較検討から、患者特性の相違、刑務所や自助グループとの関連といった医療機関の特徴や、それぞれの地域性に合わせて実施されている支援内容が明らかになった。この比較検討で明らかになった共通点や相違点の分析により、薬物依存症の患者への訪問看護の支援モデルの作成が可能となった。
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