2014 Fiscal Year Annual Research Report
地域精神医療に携わる医療従事者の効力感と利用者の満足度に関する調査研究
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23660095
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
登坂 祐明 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10592371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 祥子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40581335)
水渓 雅子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (20115637) [Withdrawn]
橋本 容子 愛知淑徳大学, 心理学部, 助教 (20585228)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ノーマライゼーション / 地域精神医療 / 精神医療改革 / 精神障害者 / 脱施設化 / 障害者自立支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域精神医療福祉サービスに携わる人達の効力感とサービスを利用する障害者の満足度に関する質問紙調査を行い、その結果から近年の改革後の地域精神医療福祉サービスの実態を明らかにすることにある。新たに開発した「専門職効力感尺度(36項目)」と「利用者満足度尺度(20項目)」を調査対象となる2000件の事業所に発送し、専門職351名、利用者255名から回答を得る事ができた。分析により「専門職効力感尺度」は【介入効力感:11項目】、【役割達成感:7項目】、【対象理解と対応の困難感:6項目】、【情緒的消耗感:3項目】、【悲観的職業観:5項目】の五つの下位尺度からなる因子構造を保ち、「利用者満足度尺度」は【サービスの質と信頼感:8項目】【利用負担:5項目】【生活効力感:5項目】の三つの下位尺度によって構成され、両者の下位尺度の内的整合性は高く、下位尺度は互いに有意な相関を示した。医療現場と接する機会の少ない職種(保育士・ホームヘルパーなど)は、精神症状や身体症状の対応に不安を感じながら、業務にあたっていること。ケース・カンファレンスや勉強会を行っている事業所、業務上の悩みや個人的な相談に対する窓口がある事業所のスタッフは、「役割達成感」が高く、「情緒的消耗感」や「悲観的職業観」が低い傾向にあること。地域医療福祉サービスを利用する為に、利用者が消費している時間の多くは60分以下であること。専門職の効力感と利用者の満足度の相関性は低く、それぞれが独立したスケールとして扱う必要があると推測される…などの結果が得られた。
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