2013 Fiscal Year Annual Research Report
確実な筋肉注射のための筋膜までの簡便な距離推定指標の作成
Project/Area Number |
23660100
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
谷岡 哲也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90319997)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川西 千惠美 独立行政法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授 (40161335)
友竹 正人 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50294682)
安原 由子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90363150)
|
Keywords | 筋肉注射 / 中殿筋 / 持効性注射剤 / 簡便な距離推定指標 / 筋膜 / 看護 |
Research Abstract |
精神科においては再発予防の観点から筋肉注射による持効性注射剤抗精神病薬が注目されており、安定した治療効果を得るために、筋肉内に確実に投与できる簡便なアセスメント方法を確立することが緊要の課題である。筋肉注射部位の皮下脂肪厚については、健常者や他の疾患患者を対象にした研究はある。しかし、統合失調症患者は肥満有病率が高く、彼らを対象として調査を行う必要がある。 一般的に簡便に皮下脂肪厚をアセスメントする方法としてノギスでの測定がある。つまみ上げた注射部位をノギスで測定し、その1/2を皮下脂肪厚とするが、測定者のつまみ方や被験者の皮下脂肪の硬さ等によって測定値に誤差が生じる。体組成計は、生体インピーダンス法を用いた測定法であり、健常者においてはインピーダンス法で測定した脂肪率と超音波診断装置で測定した脂肪厚に相関がある。 そこで、統合失調症患者の殿部筋肉注射部位の「超音波診断装置で測定した表皮から筋膜下までの距離(DEUF)」を実際の皮下脂肪の厚みとして、体組成計により脂肪率とノギスで測定した注射部位の皮下脂肪厚(皮下脂肪厚)の値から予測できると仮定した。 本研究の成果として、統合失調症患者の殿部筋肉注射部位のDEUFは、4分3分法の点、ダブルクロスの点とも「脂肪率と皮下脂肪厚」で予測精度の高い回帰式が得られた(論文投稿予定)。さらに、DEUFと回帰式により算出した値を比較したところ、4分3分法の点(左右)、ダブルクロス法の点(左右)とも統計的な有意差を認めなかった。 本研究は、統合失調症患者の殿部筋肉注射部位におけるDEUFを、脂肪率と皮下脂肪厚で予測可能なことを初めて明らかにした。以上の回帰式により、表皮から筋膜下までの距離を簡便にアセスメントできる考えられた。
|
Research Products
(6 results)