2011 Fiscal Year Research-status Report
認知症グループホームにおける"なじみの場づくり"を促進するケア指針の開発
Project/Area Number |
23660106
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
細田 江美 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (10290123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 真弓 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (20336621)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | なじみの場づくり / 認知症高齢者 / 認知症対応型グループホーム |
Research Abstract |
認知症対応型グループホームのケアスタッフが認知症高齢者に対する"なじみの場づくり"をどのように認識し、実践しているかを把握するにあたり、まず、看護・介護学領域で使用されているテキスト10冊を概観した。その結果、"なじみの場づくり""なじみ感""なじみの関係"等、認知症ケアを行うための重要なケアとして記載されていた。しかし、その言葉の持つ意味や具体的な方法等の記載はなかった。さらに、本研究を遂行するにあたり、認知症高齢者ケアにおける"なじみ"の持つ意味や、この研究分野での研究状況を明確にするために文献検討を行った。 "認知症""なじみ"をキーワードに医学中央雑誌で検索を行った結果、介護保険制度導入前10年間において7文献、2007~現在において32文献が抽出された。その多くは、様々な"なじみ"を手段として効果を得られた事例報告が多く、その意義の重要性を説いていたが、そのケアの方法や過程は明らかにされていなかった。また、グループホームにおける"なじみ"そのものに着眼した研究は、見当たらなかった。 それらを受け、質問紙調査の質問項目を作成するにあたり、近隣のグループホーム及び介護保険施設11施設に勤務するスタッフに対し、なじみのとらえ方などについての基礎調査を行った。その結果、ケア提供者は、認知症高齢者が"場になじむ"とは、自分の存在価値を感じながら自らの意思で行動できる、さらに他者と関わり、安心して心穏やかに生活できるような状態であるととらえていた。また、"なじみの場づくり"を行う為に、ケア提供者は、家族や記録のみならず、実際に本人と関わり、他者との関係を観察しながら情報を得ていた。しかし、回答内容は、回答者によって抽象度のばらつきも大きく、的確に事象をとらえるためには、質問方法の検討が必要と考えられた。これらをふまえ、質問内容等を再検討し、本調査の準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要でも述べたように、"なじみ"そのものに対する先行研究が少なく、全国調査をより効果的に行うために、基礎調査を実施したため、やや遅れを生じた。しかし、基礎調査を行ったことにより、現場でのとらえ方や、回答スタイルが把握できたため、より効果的な全国規模の調査が可能と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の予定通り、プレテストを実施したのち、全国のグループホーム対象に質問紙調査を行い、分析を行う。その後、"なじみの場づくり"の進展とケアの性質を抽出した後、構造化を図り、実用可能なケア指針を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.アンケート、調査依頼文等、研究に必要な通信費2.アンケート作成およびデータ管理のための物品費3.聞き取り調査のための調査地域までの旅費4.調査結果のデータ入力にかかわる人件費5.調査協力施設、協力者への謝金
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