2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢患者の在宅退院時におけるIADL支援と在宅移行促進のための看護援助
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23660110
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
竹崎 久美子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (60197283)
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Keywords | 高齢者看護 / 退院支援 / 在宅療養推進 / フィールドリサーチ |
Research Abstract |
身体状態に何らかの不自由や不安を残して急性期病院からの退院を余儀なくされる高齢者に対し、退院直後から直面する日常生活面(IADL)での不自由について、1週間~10日のフォローアップをとおして明らかにすることをめざした。 これまでの事例検討や文献検討からは、主な生活の不自由として、1.食事の準備(食材の買い出し、食後の片付け、ゴミ出し、など)、2.排泄(ポータブルを使用する場合はその始末、トイレ掃除など)、3.掃除・洗濯(掃除機かけ、洗濯干し・取り込みなど)、4.入浴(入浴、浴室掃除など)、5.その他(身の回りの片付けや消耗品の買い物、初回受診、同居者の世話、習慣としている家事の継続(仏壇管理)など)があげられると同時に、身体面での様々な不安・不自由の解消等のニーズがあることが明らかとなっている。こうしたニーズに対し、高齢者は周囲のどのような資源を活用できているか、あるいは現存する介護保険とそれ以外の一般的な社会サービスで、どのようなサービスが活用可能なのかについて、実際のケースを通して、明らかにしようとした。 本研究成果は、今後高齢世帯や独居高齢者が増加する中、退院後の生活に不安があるからという理由だけで転院を余儀なくされ、結果的に回復が遅れることになることを防止することに貢献するだけでなく、都市部のように様々な産業や企業がサービスを競う地域においては、介護保険に頼らず、様々な企業サービスの競争で、退院直後の高齢者でも安心して在宅療養できるような、しくみを分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年目である平成24年中に協力病院に依頼して、研究協力者を募る計画であったが、ケースを絞って実際にデータ収集するまでには至っていない。主な理由は、患者を紹介していただける適当な病棟の選定に時間がかかっていることと、倫理審査への審議依頼が遅れていることである。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、データ収集が行えるよう準備を進め、順次成果を出す計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な使用費目としては、引き続き交通費や、実際の生活支援に活用できそうな物品については順次購入し、活用してみたい。その他、需用費、最終的な報告書の印刷などを予定している。 平成24年度は年度後半に開始予定であったデータ収集が遅れたため、繰越金が生じた。平成25年度は、予定していたデータ収集を実施すると共に、研究成果のまとめを行う。
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