2012 Fiscal Year Annual Research Report
森林環境を利用したうつ病者への認知療法のモデルの提案
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23660111
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
大賀 淳子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (80305846)
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Keywords | 森林環境 / 認知療法的会話 / うつ病 / 唾液アミラーゼ / POMS |
Research Abstract |
平成23年度に協力をいただいた大分県内の精神科デイケア2施設(A、B病院)に、今年度も引き続きご協力いただき、以下のことを行った。 A病院デイケアで2回(6月、11月)、B病院デイケアで3回(11月、1月、3月)、「大分県県民の森」の異なるゾーンにおいて散策と認知療法的会話からなるプログラムを実施した。参加者を固定化し、継続実施の効果を評価する予定であったが、対象施設の都合により、継続参加者は限られた人数となった。各回の参加者はA病院がそれぞれ9名(男7名、女2名。平均51.1歳)、10名(男7名、女3名。平均43.1歳)で、このうち継続参加は4名であった。B病院はそれぞれ10名(男6名、女4名。平均38.1歳)、8名(男4名、女4名。平均40.1歳)、13名(男7名、女6名。平均38.9歳)で、継続参加者は4名であった。デイケア行事としての実施であったため、うつ病のみに限定できず、その他の疾患(主に統合失調症)の回復期の方々も含んでいる。回ごとに参加者が流動的であったため、効果評価は回ごとに行った。測定項目は、脈拍、血圧、唾液アミラーゼおよびPOMS(Profile of Mood States)である。いずれの回においても、前後の変化は好ましいものであったが、継続参加の効果は認められなかった。B病院では2回目に認知療法的会話に加えて屋外合唱を実施したところ、非常に好評で、3回目の参加者増につながった。森林という非日常の空間における活動メニューを考えるうえでの示唆を得た。また、全ての回が終了した時点で、参加者へのインタビューを行い、彼らが求める森林環境について尋ねた。変化のある景色、音、あるいは地面の感触などを求める意見が多く、森林のランドスケープデザインを考えるうえで、参考となった。加えて、参加日には心地よい睡眠が得られ、満足感が得られたという声が聞かれた。
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