2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23660112
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
鈴木 珠水 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (80458471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬醫 世志子 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (10458474)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 化学物質過敏症 / 環境保健 / ライフスタイル / アレルギー / 保健指導 |
Research Abstract |
本研究は、化学物質過敏症の啓発及び予防策を検討することを目的として、化学物質過敏症の高リスク群の検討と、その関連因子についての調査を3年間で行う予定の研究である。平成23年度は文献検討と研究協力依頼を行った。 文献検討では、MCSに関連する論文、国内外の図書、化学物質過敏症支援センター発行の資料等を収集し、整理した。本研究はアレルギー疾患や生活習慣といった個人特性と、生育環境や住環境といった地域特性を関連付けて検討する点が特徴的であるが、化学物質過敏症の発症に関与すると考えられる個人特性や地域特性について最新の情報を整理し、調査票の作成や予防策の検討に必要な情報を得ることができた。 また、文献検討と並行して、県内の公立高校に所属する保健体育教師1名、養護教諭1名、教頭1名に研究調査の実施を可能とするための聞き取り調査を行った。本研究の対象は高校生であるため、高校生が回答しやすい調査票の作成や調査実施方法、高校生が自ら実施できる予防法の提示方法等について、高校生と健康面で関わりのある保健体育教師や養護教諭と話し合うことは必要不可欠である。そこで、化学物質過敏症は誰もが発症する可能性があり、高校生で発症すると日常生活だけでなく、進学、就職に大きな影響を与えることを説明し、本研究で予防策を検討する意義を伝え、研究協力の同意を得た。研究協力の依頼内容は、調査票で使用する言葉の使い方や設問のレイアウト、調査日時、調査票配布前に行う説明等についての助言等とした。 その他、当初の研究計画には含まれていないが、本研究のパイロットスタディである大学生を対象とした化学物質過敏症の有病率と発症リスクに関する研究の質問項目と研究結果の見直しを行った。調査票で使用する言葉の使い方や設問のレイアウトが調査結果に影響を及ぼしていると考えられるものがあったため、次年度の調査票作成に役立つと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画は(1)文献検討、(2)専門家への聞き取り、(3)研究協力依頼であった。(1)文献検討については、調査票作成や予防策を検討するために必要な情報を得ることができた。(2)専門家への聞き取りについては、調査票を作成する際に、実際に問診で用いられているMCSに関する問診票を参考にし、臨床医の意見を得る予定であった。しかし、インターネットで問診票を入手することが可能であったため、まずは問診内容について整理し、調査票に取り入れる項目を検討した。臨床医の意見を得ることについては、日程調整の結果、平成24年度に実施することとした。(3)研究協力依頼については、調査票で使用する言葉の使い方や設問のレイアウト、調査日時、調査票配布前に行う説明等についての助言を得られる研究協力者を得ることができた。 以上のように、(2)専門家への聞き取りの一部については、平成24年度に実施となるが、それ以外の項目についてはほぼ達成したと考えられるため、研究の目的は「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は調査票の作成、調査の実施、データ入力を行う。調査の実施に際しては、群馬県内の公立高校を所在地別にグルーピングし、偏りのないよう協力を求めていく。また、平成23年度に実施する予定であった専門家への聞き取り(化学物質過敏症のスクリーニング項目および精度について臨床医の意見を得る)も行っていく。 当初の計画ではデータのクリーニングも行う予定であったが、平成23年度に計画に含まれていなかったパイロットスタディの質問項目と研究結果の見直しを行ったため、約3ヶ月程度の遅れが生じている。そのため、データクリーニングはデータ解析とともに平成25年度に実施することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費申請時には、解析用のコンピューターを平成23年度、SPSSを平成24年度に購入予定であったが、最新の機能を用いた解析を行うために、いずれも実際に解析を行う平成25年度に購入することとした。また、調査票作成に使用する物品は実際に調査票を作成する平成24年度に購入することとした。その他、「現在までの達成度」に記載した通り、専門家への聞き取り調査の一部を平成24年度に実施するため、その関連経費は平成24年度に計上する。 実質的には、平成24年度は平成23年度の研究費残額と平成24年度の研究費の合計から解析に用いる物品費等を差し引いた1,550,000円を使用する予定である。その内訳は以下の通りである。 質問紙調査に使用する消耗品費180,000円、高校の教員/高校生への謝金400,000円、データ入力520,000円、研究協力者との打合せ/高校への交通費200,000円、通信費100,000円、その他150,000円、計1,550,000円
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