2011 Fiscal Year Research-status Report
インドネシアの看護・助産強化モデル開発とPHC専門看護師育成の協働的開発
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23660114
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
田代 順子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (30134175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 美和子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60103587)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 看護・助産強化 / インドネシア / プライマリーヘルスケア / 専門看護師育成 / 看護政策試案 |
Research Abstract |
本研究の目的は、インドネシア(イ国)におけるプライマリヘルスケアを促進する専門看護師育成のカリキュラム開発を協働的に支援するために、看護・助産職ステークホルダー(保健省、看護協議会、看護協会、看護教育者、医療施設長)が考えるイ国における看護・助産強化モデルをイ国人研究パートナーと共に構築することである。方法:11年10月に、ステークホルダーの面接調査をイ国人研究パートナーとともに面接調査をおこなった。面接調査は、イ国人研究者が情報を整理し、日本人研究者と共に分析した。研究成果:保健省・看護課長はじめ、地区の看護リーダーや施設の看護部長ら20名の協力を得た。情報から;1)インドネシアでは、健康で、自己充足的で、公正なインドネシア国民を保障すべく、2005年から25年度の開発計画が進んでおり、人材育成や教育の強化は重要な強化すべき領域となっている。2)厚生省では、文部省と連携しつつ、"Healthy2025"を進めている。3)現在、看護職は25万人で、主に医療機関で働いており、ケア向上のための看護職の量的・質的増強と、母子保健指標の改善において、保健センターで働く助産職の質向上が課題であると報告された。面接調査で報告された共通する現状の課題は、政策と実施の間のキャップが存在し、政策が推進されていない点であった。つまり、地区あるいは保健センターの保健実践レベルでその政策が十分に反映した活動が展開出来ていないことであった。特に、人材強化政策として、看護師の高等教育化は目標として掲げられているが、具体的な実施に繋がっていない。また、地域母子保健は保健センターの助産師の役割が大きいが、助産師教育の高等教育化は着手されていない状況である。面接調査の統合モデル試案を作成した。来年度、情報提供した看護・助産職ステークホルダーと会合を持ち、方向性を明確にして、看護・助産強化モデルを提案したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度目標、インドネシアの看護助産のステーク・ホルダー(保健省、看護協議会、看護協会、看護教育者、医療施設長からインタビューでステーク・ホルダーが考えるプライマリヘルスを促進できる専門看護職の育成と定着モデルを構築する計画であった。計画では、15名~20名の協力を得る目標であり、ほぼ、計画どうりインタビューをすることができた。加えて、看護政策において、看護人材の育成に関して既に立案されていること、しかし、実施面で課題があることが明確になった。しかしながら、研究費おいて、旅費は、計画より小額で押さえられた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、国レベル、地区レベル、地区の保健所(プスケスマス)レベルで聴取したデータを、レベル別に分け、分析し、インドネシアの地域保健においての問題として、母子保健と同時に非感染症(慢性疾患、高血圧、糖尿病等)の予防や住民の健康増進の活動が必要であることは課題として挙げられている。保健所レベルでの活動の推進のため、現在、母子保健領域は、保健所と併設されている母子センターではたらく助産師が担っている。しかし、地域保健に関する知識は限られる状態である。これらの地域保健の課題や看護師の役割拡大に関して、今年度、昨年度のデータとその分析をもとに、インタビューしたステークホルダーとワークショップを開催し、さらに、インドネシアの人々の健康ニーズを満たすことのできる看護・助産人材に関して意見交換を進める計画である。研究の推進方策としては、インドネシア人研究協力者をさらに1名加え、また、インドネシアでの研究経験のある日本人研究協力者(リサーチアシスタント1名)研究補助者を増やし、インドネシア人研究協力者と日本人研究協力者とのより密な連絡を取りながら、研究を進める計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、現在分析しているデータを基に、『インドネシア看護・助産強化モデル試案』を作成し、昨年研究に協力をしていただいたステーク・ホルダーとワークショップを開催し、ステークホルダーの意見を聴取する。この意見を基に、上記、『インドネシア看護・助産強化モデル試案』を修正し、モデルを作成し、インドネシアのプライマリヘルスケア向上のための看護・助産強化試案を研究協働者と立案し、必要に応じて、インドネシアの連携高等教育機関と、カリキュラム案を構築する。1.ステークホルダーとのワークショップ開催に関わる、旅費(日本人研究協力者3名分、インドネシア研究協力者1名分)今年度の研究費内の研究者の派遣数や旅費が計画した額より少なかったので、次年度のワークショップでの情報収集での研究員の数の充実と有効に研究を活用する。;2.ワークショップ開催に関連しての、謝金、印刷費、データ逐語録等;3.研究協力者およびリサーチアシスタントの謝金;4.研究関連の資料・テキスト等および資料整理の文具、これらの研究費の使用を計画する。なお、上記の様に、次年度にステークホルダーとのワークショップを開催予定であったので、今年度の研究費を押さえて次年度の研究が無理なく行えるよう、次年度使用のため今年度の研究費の執行をした。
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