2014 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者のセルフスティグマとカミングアウトの心理学的関連モデルの構築
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23660116
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
永井 邦芳 豊橋創造大学, 保健医療学部, 准教授 (70402625)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 精神障害者 / カミングアウト / 地域生活 / セルフスティグマ / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障害者が精神障害者であることをカミングアウトすることにより、より多くの理解や支援を受けられる可能性があるが、その反面で偏見や差別にさらされる可能性もある。本研究は、精神障がい者のカミングアウトについて、セルフスティグマや自尊感情などの自己概念に及ぼす影響についての心理的関連モデルを仮説し検証することを目的とした。心理的関連モデルにおける関連要因については、直接的な面接調査を基に精査した。面接調査の結果を基にカミングアウト意思に影響を及ぼす関連要因としてソーシャルサポート(専門家、家族、ピア)を挙げ、ソーシャルサポートに対する満足感がカミングアウトに肯定的な意識を高め、カミングアウトの肯定的意識がセルフスティグマを低減し、エンパワメント(自立性、自己効力感、楽天)を促進する仮説モデルを立て、構造方程式モデルにて検証した。 なお、検証する変数の一つである精神障害者のセルフスティグマについては、研究計画段階において、これを測定する適当な尺度が見当たらなかったことから、日本語版セルフスティグマ尺度を作成し、信頼性妥当性を検証した上、その尺度を構成する質問項目の一部を使用した。 その結果、カミングアウトに対する肯定意識とセルフスティグマの間に直接因果関係を示す有意なパスを引くことはできず、さらにカミングアウトに対する肯定意識と自己効力感の間のパスも有意な結果を示さなかった。これによりカミングアウトに対する肯定意識がセルフスティグマ、自己効力感に直接的な影響を及ぼす仮説モデルは棄却されたが、ソーシャルサポートに対する満足感がカミングアウトに対する肯定的意識と自立性に直接関連し、自立性から楽天、楽天から自己効力感、自己効力感からセルフスティグマの低減へと続くラインとカミングアウトに対する肯定的意識が楽天に直接的関連するラインの2つから構成される心理モデルの有効性が示された。
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