2011 Fiscal Year Annual Research Report
クラウド基盤におけるメモリ管理の高度化による消費電力削減手法の研究開発
Project/Area Number |
23680002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
河合 栄治 独立行政法人情報通信研究機構, テストベッド研究開発推進センター・テストベッド研究開発室, 室長 (40362842)
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Keywords | 省エネルギー / 情報システム / オペレーティングシステム / メモリ管理 / クラウドコンピューティング |
Research Abstract |
本研究では、近年普及が進む仮想化環境を前提とし、サービス性能を維持しつつ、主記憶メモリの消費電力を柔軟に削減するフレームワークの構築を目的としている。 研究の開始年度である本年度は、まずこれまでに研究代表者が開発したメモリの非同期的管理機構を応用して、プロセスにおけるメモリ縮減量とそのサービス性能の関連について、マイクロベンチマークをベースにして評価実験を行い、その結果を元にメモリ縮減量とサービス性能の関連をプロファイルとして管理することのできる仕組み(性能管理機構)を設計した。これは、サービスプロセス毎に作成され、サービスの違いを吸収する役割を果たすものである。また、最終的には消費電力削減要求に対して応答可能なシステムとする計画であるが、現状では消費電力量を使用するメモリ量に比例する指標値とすることで、パラメータとしてシステムで扱うことができるようにした。今後は実際に消費電力も計測し、正確性を向上する予定である。 次に、現行の非同期メモリ管理機構を、プロセス間で公平に動作するように、各プロセスにおけるメモリ利用のプロファイル情報から、その縮減率を算出し、プロセス間でのメモリ縮減量の調整を行う仕組みを開発した。これは、先に述べた各プロセスにおけるメモリプロファイルの違いも考慮するようにしている。本機構により、プロセス間での公平性の向上に加えて、システム全体でのメモリ量縮減要求に対する応答性も向上し、サービス品質の頑健性も向上する効果が期待できることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた開発項目については順調に実装が進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
チップセットのメモリ管理機能が、当初想定していた機能が未実装であったことが判明したため、その機能を仮想的に実現する別の手法を考案する必要がある。
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