2013 Fiscal Year Annual Research Report
ケア・レシーバー型ロボットを用いた子どもの教育支援
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23680020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 文英 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 特任准教授 (50512787)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フィールド実験 / 自律CRR開発 |
Research Abstract |
H25研究実施計画に記載された内容、すなわち自律動作CRRの開発とフィールド実験を予定通り行うことができた。 自律動作CRRについては、Aldebaran Robotics NAOをベースに、画像認識技術ライブラリを活かして自律動作可能なCRRを開発した。CRRでは子どもからロボットへの教示行動が中心をなすが、教室で行われるカードゲームにヒントを得て、カードをロボットに見せつつその内容について教示を行うという設定を完全自律で行えるアプリケーションを開発した。このアプリケーションは次に記すフィールド実験で広く用いられ、その効果が確認された。フィールド実験については、今年度重要とされていた要素は、(1)前年度よりも統制の少ない環境、例えば実際の教室などで行い、(2)前年度(1対1)と異なり1対多、つまり多数の子どもたちを同時にインタラクション対象とするということであった。このため、つくば市内の幼稚園にて上述の自律アプリケーションを実装したCRRを用いるフィールド実験を行った。詳細なデータ解析はH26の研究内容であるが、予想されたCRRの効果を確認でき、さらには二台のロボット機体を同時に用いる進歩的な開発方法という新しいトピックにも発展することができた。 H26では、H25に行った多数のフィールド実験のデータを整理・分析し、結果をまとめて論文執筆や研究発表を行うと同時に、H25で新たにトライした進歩的開発方法の評価についても行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25研究実施計画に記載された目標はほぼ全て達成することができた。加えて、二台のロボット機体を同時に用い、要求仕様探索と機能実装評価を同時並行スパイラル的に行う自律CRRのための進歩的開発方法という新しい研究要素も深めることができた。これらの状況を踏まえるに、研究計画は順調に進展しているものとみている。
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Strategy for Future Research Activity |
H25ではフィールド実験を多数行い、現場で取得したビデオデータやアンケートデータなどが多数得られている。H26の最重要課題は、これらのデータを詳細分析し、結果をまとめて報告することである。ビデオコーディング等は人手と時間を要するためすでに一部着手している。 また、自律CRRの効率的な開発方法に関する何かしらの指針を与えることは、本研究課題全体にとっても重要なものと思われるため、H25にトライした進歩的開発方法を含めてこれまで3年間の知見と経験をまとめ、論文や発表を通じて成果を報告していく予定である。
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