2016 Fiscal Year Annual Research Report
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23680025
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
後藤 玲子 茨城大学, 人文学部, 教授 (10375355)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 政策評価 / 行政評価 / 社会調査 / メタ評価 / 標本調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、より費用対効果の高い公共IT投資を実現するためには、公共IT投資を含む何らかの公的介入によるインパクトを信頼できる方法で測定評価する必要があること、また、インパクト評価に基づくエビデンスを重視するようなインセンティブやナッジが必要であると考えられることから、日本における政策評価・行政評価の実態と課題を明らかにし、解決策を探るための調査研究を行った。まず、日本の政策評価の成熟度に関する国際比較研究を検討し、現在の日本の評価文化はすでに成熟段階と評価されるような発展段階にあること、評価制度の有効性を科学的に信頼できる方法でメタ評価した国際比較研究はほぼ存在しないことが分かった。次に、日本の自治体における政策評価・行政評価の実態と課題について、とくに自治体による標本調査の利活用という観点から調査研究した。その結果、多くの自治体では、何らかの計画を立案するときに大規模な標本調査を実施しており、その結果は、計画立案の参考情報として活かされる他、行政評価で目標達成度を測定評価するために用いられること、しかし、上位計画と下位事業は分断されているため、標本調査は実際に行われている事業にはあまり役立てられていないようであること、多くの自治体における行政評価は形骸化しており、標本調査は有用な評価にも活かされていない場合が多いこと、かなりのケースでバイアスが非常に大きい標本調査が行われていること等が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、より費用対効果の高い公共IT投資を実現するためには、公共IT投資を含む政策をしっかり評価し、評価結果を踏まえて改善するという政策運営の実践が必要だという認識に基づき、日米欧の政策評価・行政評価の実態や課題に関する文献調査や、日本の基礎自治体での実態調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は本研究の最終年度に当たるため、これまで実施してきた実証研究を発展させながら、本研究を通じて得た知見を総括する予定である。
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Research Products
(2 results)