2011 Fiscal Year Annual Research Report
マウス嗅覚系における神経回路の発生・再生ダイナミクス
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23680038
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今井 猛 独立行政法人理化学研究所, 感覚神経回路形成研究チーム, チームリーダー (70509851)
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Keywords | 嗅覚系 / 僧帽・房飾細胞 / in vivoイメージング / シナプス形成 / 樹状突起 / 神経再生 |
Research Abstract |
哺乳類の感覚系では、末梢において異なる情報を受け取った神経細胞は、中枢においてもそれぞれ異なる神経細胞へと伝達されており、これが情報識別の基盤となっている。しかしながら、こうした特異的神経接続がどのように確立し、どのようにして維持されるのか、また一度確立した後ではどの程度修正が可能なのか、といったことはよく分かっていない。本研究ではマウス嗅覚系をモデルとし、嗅神経細胞と僧帽・房飾細胞の特異的接続がどのように確立し、維持修正されるのかについて、遺伝学的手法とin vivoイメージングを組み合わせて解析する。 H23年度はこのような実験を行う上ための遺伝子改変マウスの作製を行った。当初トランスジェニックマウスを用いて行う予定であったが、期待したマウスが得られなかったため、現在ノックインマウスを作製している。これはH24年度中頃には得られるものと期待している。 また、僧帽・房飾細胞の可視化にあたっては、新しくin utero electroporationの系を立ち上げ、僧帽・房飾細胞で蛍光タンパク質を高発現させることに成功した。これによって僧帽・房飾細胞の樹状突起発達過程を可視化することが可能となり、胎児期から生後1週齢にかけて僧帽・房飾細胞の樹状突起が徐々に発達していく過程が明らかになった。また、成獣を用いて嗅球の長期2光子イメージングに成功した。また、生後間もないマウスでもin vivoの2光子イメージングができている。これによって、H24年度以降、遺伝子改変マウスを用いて、嗅神経細胞の発達・除去に伴う樹状突起の発達・再編成過程イメージングする上での道筋ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題については研究費の交付が11月にずれ込んだことが大きな理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画ではin vivoイメージングについては成獣のマウスを使って行う予定であったが、予備的な実験の結果、幼弱マウスでもある程度イメージングを行える可能性が出てきた。幼弱マウスのin vivoイメージングについてもさらに条件検討を行い、発達過程の理解に力を入れたい。
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Research Products
(4 results)