2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成を制御する新規カルシウム依存的リン酸化シグナリング機構の解明
Project/Area Number |
23680040
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹本-木村 さやか 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70372365)
|
Keywords | 神経回路 / カルシウム / CaMK |
Research Abstract |
本研究は、Ca^<2+>依存的な神経回路形成過程を、カルシウム依存的リン酸化酵素(CaMK)I経路が制御するという可能性に着眼し、多彩な刺激によって惹起される細胞内Ca^<2+>上昇が、如何にして細胞を変化させ、応変かつ柔軟な回路装飾を行うのか、新規の神経回路形成機構を解明することを目指している。この目的を達成するために、H23年度は下記の項目についての研究を実施した。 (1)CaMKIファミリーに属する複数のアイソフォームの遺伝子欠失マウスの作出を推進し、null変異体の作出を完了した。本null変異体は、解剖学的な顕著な異常はなく、通常通り系代可能であることを確認した。また、作出したnull変異体において、標的とする遺伝子断片が確かに欠失していることを、qPCR法により確認した。 (2)(1)で作出したnull変異体を用いて、各アイソフォームを検出する抗体について評価を行ない、内在性のリン酸化酵素を検出できる抗体を見出した。 (3)神経回路形成に関わると考えられる複数のリガンドについて、CaMKIの活性化リガンドとして機能する可能性を検討した結果、複数の候補リガンドを同定した。 (4)精製リン酸化酵素を用いて、in vitroにおける基質候補の探索を推進するとともに、至適基質配列の同定を行い、酵素活性化機構についての検討を行った。 (5)神経回路形成中の神経細胞における自発的なCa^<2+>上昇を観察するための実験系の確立を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスの樹立が順調に進み、抗体など必須研究材料の評価が進んだ。
|
Strategy for Future Research Activity |
樹立したnull型遺伝子改変マウスの解析を計画どおり進めるとともに、コンディショナルノックアウトマウスの作出を推進する。
|