2011 Fiscal Year Annual Research Report
皮質樹状突起活動による感覚・運動情報の符号化の神経基盤
Project/Area Number |
23680043
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
村山 正宜 独立行政法人理化学研究所, 行動神経生理学研究チーム, チームリーダー (30578901)
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Keywords | 大脳新皮質 / 樹状突起 / カルシウムイメージング / 弁別課題 |
Research Abstract |
皮質5層錐体神経細胞の樹状突起活動が動物の心理状態に依存するという仮説は、長年検証される事がなかった。これは生体内において、樹状突起からの活動をミリ秒単位で記録する事が困難であった為である。本研究では2光子イメージング法を用いた樹状突起活動の高速3次元法計測法と実験心理学的手法とを組み合わせてこの仮説を検証する。 申請者は現在までに、脳内で複雑に伸長した樹状突起の活動を多点・高速・高精細で計測が可能な2光子顕微鏡を構築した。対物レンズをピエゾ素子で上下運動させ、単一イメージング平面を複数面に増加することで3次元イメージングに成功した。また、動物への感覚刺激を手掛かりとした弁別課題も成立した。今後は動物の行動課題時における樹状突起活動を記録する計画である。 申請者は、動物の行動課題において汎用性・発展性のあるバーチャルリアリティシステムを構築中である。行動課題で用いる環境をプロジェクターでドーム型スクリーンに投影し、マウスをドームの中心にセットする。動物の頭部は固定されているが、トレッドミル上を走行することができる。走行距離やスピード情報をオンラインで収集し、これに合わせてスクリーン上に投影される環境が変化する。今後はこのバーチャルリアリティシステム上で動物に行動課題を遂行させ、神経活動を記録する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
通常の行動課題を確立したことは計画通りであるが、汎用性・発展性のあるバーチャルリアリティ環境で動物の行動課題を行わせる事は、予想以上の発展である。
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Strategy for Future Research Activity |
バーチャルリアリティ環境での行動課題の確立を目指すとともに、並行して通常の行動課題時における神経活動の記録を行う。
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Research Products
(5 results)