2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型アポトーシスパスウェイ解析のための集積化酵素活性計測トランジスタの創製
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23680051
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松元 亮 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (70436541)
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Keywords | 電界効果トランジスタ / アポトーシス / カスパーゼ / 酵素活性 / パスウェイ解析 |
Research Abstract |
本研究は、 電界効果トランジスタを利用し、細胞内酵素活性を高処理に定量するための集積化計測デバイスの開発を目的としている。アポトーシス誘導に関わるシグナル伝達の中核を担うカスパーゼファミリーに加え、同じく調節因子として寄与するリン酸化・脱リン酸化酵素をターゲットとし、それらの時系列的な定量に基づくアポトーシスパスウェイ解析法を開発する。電界効果トランジスタの長所を活かし、アポトーシスにおけるパスウェイ解析を従来よりも簡便、迅速かつ低コストに達成するツールを提供することで、格段に高効率な薬理メカニズム解析や創薬ターゲットの絞り込み評価を可能とする「革新的な医薬品開発プラットフォーム」を提案するものである。上述の酵素群によるシグナル伝達は、いずれも基質(アミノ酸配列)特異的な切断またはリン酸基付与を介して行われるため、各々の至適配列を組み込んだペプチドをあらかじめFET検出表面(ゲート)上へ配置しておき、酵素反応前後でのペプチドの有する荷電変化を電界効果として捉えることで、これらの活性変化を並列的に評価することができる。今年度は、上記原理の実証と要素技術の確立に努めた。主に、カスパーゼ-3をターゲットとするペプチドを用意して、ペプチドを表面に導入する際に用いるスペーサー、その導入密度や配向性に加え、スペーサー長さによるゲート界面からの距離、スペーサー運動性・親疎水性差異に起因した酵素反応速度制御などの種々要素に留意した導入法の検討を行った。また、これらを検出する界面として金(Au)ゲートを利用する系(アルカンチールの自己組織膜:SAMを介した導入法)を検討した。この場合、絶縁膜ゲートを用いる場合に比べて、ペプチドの高い配向性と修飾密度が得られる一方、表面電位の安定性低下が問題となったため、これを電気化学的に制御した電極材料を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初使用を予定していた金ゲートの電位安定性が問題となり、新たな電極材料の検討の必要が生じた。問題は概ね解決された一方、計画の遂行に多少の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度までに電位安定性を改善する電極材料の開発を行なった。本年度はこれを利用して、当初の計画通り、種々酵素活性を検出するフォーマットを確立する。その際、ウェスタンブロッティング法およびELISA法による評価を同時に行い、その処理能力についての比較を行う。
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Research Products
(7 results)