2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型アポトーシスパスウェイ解析のための集積化酵素活性計測トランジスタの創製
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23680051
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松元 亮 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (70436541)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 電界効果トランジスタ / アポトーシス / カスパーゼ / 酵素活性 / パスウェイ解析 |
Research Abstract |
本研究は、電界効果トランジスタ原理を応用し、細胞内酵素活性を高処理に定量することのできる集積化計測デバイスをの開発を指向するものである。アポトーシス誘導に関わるシグナル伝達の中核を担うカスパーゼファミリーに加え、同じく調節因子として寄与するリン酸化・脱リン酸化酵素(プロテインキナーゼ、プロテインホスファターゼ)をターゲットとし、それらの時系列的な定量に基づくアポトーシスパスウェイ解析法の創出を目指す。24年度までに、アポトーシスパスウェイにおいて重要な役割を持つCaspase-3 , -8を中心に検討した。それぞれが特異的に認識・切断する至適配列の前後に酸性アミノ酸およびスペーサーを介して(金電極への導入のため)システインを配する種々配列のペプチドを検討した。バルク中でこれらに種々濃度、温度、反応時間で酵素(Caspase-3および-8)を作用させ、配列特異的な切断の有無を質量分析による評価から確認した。このことから、ペプチドデザインの妥当性が示された。次に、電極表面での評価に先立ち、固相化(表面固定化)状態での反応の進行を確認するため、金ナノ粒子を用いた検討を行った。すなわち、金ナノ粒子は溶液中で局在プラズモン共鳴を原理として、粒子径が小さいほど赤色系を呈し、粒子径の増大または凝集するにつれて局在プラズモン共鳴波長の変化から青色系へと呈色変化することが知られる。表面に上記のペプチドを導入したうえで酵素反応が進行し、ナノ粒子表面の荷電状態が変化することで、これを目視(または分光工学的な定量)により簡便に評価できるものと考えた。現在までに行った予備検討として、バルク中で、酵素反応前後でのペプチド断片溶液中にナノ粒子を添加した際の光学特性変化を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に追加的な検討を要した新規電極材料の検討のため当初の計画に比べて若干の遅れが生じている。これらの問題は概ね解決された一方、全体計画としては依然若干の遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
電極表面固相化状態での検討に先立ち着手した金ナノ粒子による評価を推進する。これまでに、バルク中では酵素反応前後での光学特性変化を確認したが、これを固相化状態で検討する。これが確認されたら、既に検討を終えた電極による測定系へと展開し、細胞系での評価を随時行う。
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Research Products
(3 results)