2012 Fiscal Year Annual Research Report
電子線の水溶液中励起作用による1分子操作と細胞ナノ加工技術の開発
Project/Area Number |
23680052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 隆行 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (00516049)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 電子線励起反応 / バーチャルリアリティ / 分子環境ディスプレイ / リアルタイム観察 / ライブセルイメージ / 細胞膜 / ナノ構造造形 / 導電性高分子 |
Research Abstract |
本研究では細胞膜を電子線による電気化学的反応により直接加工し,細胞膜の生体分子システムをリアルタイムに任意の状態に制御するシステムを構築し,細胞の応答を解析した.厚さ100 nmの窒化シリコンナノ薄膜を透して電子線を培養用液に照射することで,培養細胞や細胞膜のナノ加工と観察をリアルタイムに行うことができるシステムを構築した.水溶液中での電子線の吸収エネルギの分布は数10 nmの領域に分布し,2.5 keVの低加速電子においてはその範囲は細胞膜と同様のスケールとなることがシミュレーションによって明らかとなった.本研究ではこの水溶液中での電子線励起領域を可視化し,その反応過程をリアルタイムに観察した.電子線を照射する細胞培養溶液中に導電性高分子の前駆体 3,4-Ethylenedioxythiophene (EDOT)を溶解させておくことで,励起エネルギによりEDOTを重合,堆積させる様子をリアルタイムに計測することに成功した.高感度カメラによる電子線励起領域の可視化と,堆積反応のリアルタイム観察から,電子線が水中の化学反応に及ぼす効果を明らかにすることができた.同様の手法は生きた細胞(Hep G2,C2C12)に適用することで,生細胞膜上のナノパターンを造形することが可能で,加工後の細胞膜には損傷が無いことが確認されている.これまでの基礎的な実験として,実際に培養細胞に電子線を走査し,細胞膜に「NANO」の文字を描画することに成功している.この造形技術を応用した細胞へのリアルタイムなナノシステム制御は,生体分子環境に任意のパターンを呈示するバーチャル分子ディスプレイを構築する基礎技術であり,細胞膜に関わる細胞認識や細胞運動機構など組織再生におけるメカニズムを知ることにつながる可能性があると考えている.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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