2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23680060
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
坂口 顕 兵庫医療大学, 医療福祉学部, 講師 (80454792)
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Keywords | 物理療法 / 微弱電流刺激 / 理学療法 |
Research Abstract |
創傷治癒促進作用を期待して用いられてきた微弱電流刺激は,近年スポーツ界などを中心に,急性期の外傷に対して,疼痛緩和や腫脹の軽減を目的に用いられている.しかしながら,その効果および作用機序はほとんど解明されていない状況である. 本研究の目的は2つあり,一つ目は理学療法における微弱電流刺激の効果検証を行うとともに,より多くの理学療法場面にて用いるための症例検討を行うことである.また,二つ目として,その作用機序を解明するべく,動物を用いた基礎研究を行うことである. 今年度,「臨床研究」として,足関節骨折後の術後早期からの微弱電流刺激の効果検証を行った.術後早期から長時間の微弱電流刺激を行うと,腫脹の軽減を図ることができるとともに,固定による足関節背屈の関節可動域制限を軽減できることが明らかになった.この研究では,症例数が少なかったものの,今後の研究の方向性を示唆するものであるとともに,理学療法場面における微弱電流刺激の応用場面の一つを提示できた. また,「基礎研究」においては,切開創縫合モデルラットを用いて,微弱電流刺激の外傷性浮腫軽減作用を検証した.創部に対して微弱電流刺激を用いることで,創部の硬度に変化が現れた.これは,臨床的にみられる術創部周辺の「硬い浮腫」の形成を抑制する作用が考えられた.これは前述の臨床研究の結果を指示するものである.また,皮膚全層欠損モデルラットを用いて,微弱電流刺激の外傷性浮腫軽減作用,創傷治癒促進作用を検証したところ,急性創傷の治癒促進作用が確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この1年間で,臨床研究ならびに基礎研究ともに,これから2年間への方向性を決めることのできる結果を得ることができた
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Strategy for Future Research Activity |
「臨床研究」においては,足関節術後症例に対する研究を勧め,統計学的に検出力のあるだけの症例数を確保する必要がある,また,足関節術後以外の症例に対する応用を検討している. 「基礎研究」では,外傷性浮腫や急性組織損傷について組織学的,生化学的に検証する必要がある.
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