2012 Fiscal Year Annual Research Report
運動、肥満、加齢が成長ホルモン分泌能に及ぼす影響とその機序の解明
Project/Area Number |
23680063
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
後藤 一成 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60508258)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 成長ホルモン / 体脂肪 / 内臓脂肪 / 異所性脂肪 |
Research Abstract |
本年度は、高強度での有酸素トレーニングが一過性の運動に伴う成長ホルモンの分泌応答に及ぼす影響を検討した。若年男性24名を、短時間・高強度での間欠的な運動(最大酸素摂取量の85%に相当する強度で1分間のペダリングを30秒間の休息を挟んで10回反復)を行う「高強度群」と、長時間・低強度での持続的な運動(最大酸素摂取量の45%に相当する強度で22分間のペダリング)を行う「低強度群」に分類し、両群ともに週3回・4週間にわたるトレーニングを実施した。その結果、体重や体脂肪量、腹部脂肪面積(内臓脂肪面積、皮下脂肪面積)にはトレーニング期間の前後で有意な変化は認められなかった。また、磁気共鳴分光法により評価した筋線維内脂肪量および肝臓内脂肪量についても、両群ともにトレーニング期間の前後で有意な変化は認められなかった。両群ともに、一過性の運動に伴い血中成長ホルモン濃度は有意に増加したが、これらの変化の動態はトレーニング期間前後で同様であった。以上の結果から、若年男性を対象にした週3回・4週間の有酸素トレーニングにより、一過性の運動に対する成長ホルモンの分泌応答(成長ホルモンの分泌能力)は変化しないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、大規模なトレーニング介入実験を2つ完了している。また、当該研究に関わり複数の学会において研究発表を行い、本年度から順次、論文投稿を行う予定である。最終年度は、昨年度実施ができなかった高脂肪食摂取に伴う成長ホルモン分泌能の変化を検討する実験などを予定している。以上の諸点から、研究の進行は概ね順調であると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
過去2年間の研究成果をふまえ、最終年度は高脂肪食の摂取や睡眠時間の短縮により成長ホルモンの分泌能に変化がみられるか否かを検討する予定である。また、筋線維や肝臓内に蓄積した中性脂肪(異所性脂肪量)の多寡と成長ホルモンの分泌能との関連性についてもさらに詳細に検討を進める予定である。
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