2011 Fiscal Year Annual Research Report
学習者筆記に基づく遠隔ティーム・ティーチング法の開発と検証
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23680078
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 元喜 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00334053)
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Keywords | デジタルペン / 遠隔授業支援 / 教育工学 / 学習支援システム / 対話型授業 / ユーザインタフェース |
Research Abstract |
(1)遠隔ティームティーチング法を実現するデジタルペン教育システムの改良・整備 申請者らが構築してきたデジタルペン教育システムAirTransNoteについて,利用者(教師)の利便性を鑑みてシステム構成の見直しを行った.具体的には筆記集約機への設定を簡素化し,筆記閲覧システムにおける操作性を統一したSimpleATNを構築した.またソフトウェアインストールマニュアル,操作マニュアルを整備し,ソフトウェアインストール作業の自動化を行った.これまでデジタルペン筆記の時刻情報が不正確となりやすかった点を改め,時刻情報に基づいた分析を可能にした. (2)デジタルペン筆記の再構成支援 手書きノートやプリントに対する回答など,デジタルペン筆記の特性を活かして編集するためのインタフェースを提案し,実装を行った.また再編集・再配置機能が記憶に与える効果についての実験を行った.数分という短時間作業のため有意差は認められなかったが,手書き筆記の再構成を支援する手法としての一定の有用性を確認できた. (3)簡易で安価なレスポンスアナライザシステムの提案と構築 従来クリッカーや携帯端末,デジタルペン等の電子機器・デバイスを用いる双方向授業システムが提案されてきたが,それらの配布や管理にかかる手間は教師など,授業運営者の労力となっていた.そこで2次元タグを印刷した紙を用いた簡易レスポンスアナライザを提案し,プロトタイプシステムを実装した.学習者は2次元タグを印刷した紙を教師側のカメラにかざすことで,多岐選択やポインティング(位置選択)が可能となる.実験の結果,タグの法線調整による位置選択はカメラとの距離があると操作が困難になるが,タグの方向による多岐選択については比較的頑強に動作することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遠隔支援にかかるシステム整備に時間がかかり,導入授業の計画が遅れている.ただし導入・利用時の操作簡素化は実現できたため,今後の実践授業運営にかかる障害は少ないと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)デジタルペン学習基盤の整備 (2)遠隔ティームティーチング法実験の実施 (3)デジタルペン以外のレスポンス集約手法の開発と高度化 今後の実証実験を円滑に行うため,東京学芸大附属小学校との連携を予定している.
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