2011 Fiscal Year Annual Research Report
柔道で使われる擬音・擬態語の周波数変調を活用した技学習データベースシステムの開発
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23680079
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
藤野 良孝 朝日大学, 経営学部, 准教授 (40462767)
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Keywords | 柔道 / 技の学習 / スポーツオノマトペ / ビデオ / データベース / ビデオデータベース |
Research Abstract |
本年度は、スポーツオノマトペのリズムを用いて、分かりやすく柔道を学習することができるビデオの検討と収録を行い、以下のことを明らかにした。 (1)中学生学習者が技の学習過程で直面する、3運動(「良い運動(○)」「もう少しの運動(△)」「悪い運動(×)」)別に、オノマトペ発声のタイミングを柔道家の井上康生氏と国内でトップクラスの成績を収めた柔道指導者2名とで議論及び実践を交えながら決定した。 (2)ビデオ撮影は、技の一連動作とリズムが分かる横画面に1台設置、柔道家の細かい動きの観察・確認、身体が重なって見えない部分が見られるように上空に1台設置して行った。 (3)井上康生氏実演、監修のもと全179本のビデオ撮影を行った。詳細は、導入ビデオ3本(「柔道を通して学んだこと」、「技学習の魅力」、「柔道のスポーツオノマトペについて」)、エールビデオ3本(「とてもよくできたね」、「もう少しだね」、「がんばろう」)、技を受ける際の注意ビデオ2本、受け身10本、手技12本、腰技16本、足技32本、捨身技12本、固め技20本であった。またハイスピードカメラのズーム撮りは、受け身5本、手技9本、腰技12本、足技24本、捨身技9本、固め技10本であった。全技のビデオは、柔道家に確認してもらい有用性を確認した。 (4)各技のビデオは、柔道家が発声したオノマトペと、運動方向が簡単に分かるようにオノマトペテロップと矢印を付与した。矢印は、技のプロセスごとに色をつけて、どの学習場面なのか区別しやすいようにした。 以上、収録されたビデオデータは、次年度に開発する学習システムに実装していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の重点研究項目として挙げていた、柔道の技指導で使用するスポーツオノマトペの厳選、分かりやすく意欲的に学べるビデオコンテンツの検討、学習に効果的な撮影ポイント・アングルの確定、ビデオの有用性の確認を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、録画された柔道の技学習のビデオデータベース並びにスポーツオノマトペ音声データベースの整理・構築を行う。データベースは、技の検索、オノマトペの検索、学習履歴からの技リンクなど、多様な利用を可能にすることが望まれる。この際、学習者の見地に立って分かりやすく、意欲的に学ぶためのシステム開発の課題を教育工学の専門家、システムエンジニアの意見を取り入れて研究を推進していく。 推進にあたり、現場の柔道指導者からの意見・確認をもらい、各分野の専門家と密に連携しながら柔道学習を効果的、円滑に進めていく方策を検討する。今一つは、スポーツオノマトペ音声が運動調整にあたえる影響を形成的に評価しながら、システムに実装する聴覚フィードバック学習の開発に向けた研究を進めていく。
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