2012 Fiscal Year Annual Research Report
柔道で使われる擬音・擬態語の周波数変調を活用した技学習データベースシステムの開発
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23680079
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
藤野 良孝 朝日大学, 経営学部, 准教授 (40462767)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | データベース / スポーツオノマトペ / ビデオ / 柔道 / 技の学習 |
Research Abstract |
柔道の技のプロセス(崩し・作り・掛け)ごとに発声された力量別のオノマトペの考察及び理解度や動機付けが働くスポーツオノマトペデータベースシステムの設計、聴覚フィードバック機能の開発を行った。以下、明らかにしたことを示す。 (1)力量別に発声されたオノマトペの考察:力量別に発声されたオノマトペを、柔道指導者と研究者とで考察、議論した結果、まずは時間的特徴を手掛かりにして、技のプロセスにおけるオノマトペのパターンを提示することに決定した。発声時間長の選定は、運動の持続時間と深く関連していることから、技のタイミング、動きのズレなどを伝達する上で有効であり、技の習得に寄与できることを確認した。その上で、力量別の声の高低を活用して、詳細な運動を伝達させることを示唆した。 (2)理解度や動機付けが働くシステムの設計:代表者がこれまでに開発、形成的に評価したデータベースシステムを参考にしつつ、新規に力量別の運動演技を判別する目標設定付のクイズ機能、4件法を用いた技学習の自己評価機能、学習回数別のクイズ正答率ならびに自己評価結果を同時に示すグラフ機能を実装した。各機能は、柔道指導者の助言に基づく提案で、学習理解度や動機付けが高まること、客観的な技の見方を身に付けることが期待される。 (3)オノマトペ聴覚フィードバック機能の開発:聴覚フィードバックは、学習者の力量の向上、学習中の運動状況、運動の間違いなど、各過程のその時点に適したオノマトペ音声(「良い運動」「もう少しの運動」「悪い運動」)を選定し、運動の修正、支援を行えるようにした。柔道に不慣れな学習者でも簡単に理解することができるように、技のプロセス(崩し・作り・掛け)ごとに色分けされたタイムラインとオノマトペのテロップをカスタマイズした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の重点項目として挙げた、(1)「良い運動」、「もう少しの運動」、「悪い運動」の各運動で発声されるオノマトペの考察、(2)スポーツオノマトペ音声刺激を用いた技の運動修正・支援を行う聴覚フィードバック機能を開発し、おおむね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、開発された柔道で使われるオノマトペを活用した技修得に関する学習データベースシステムの有効性を確認・補完するために、学習者に実践的に活用してもらいながら、半構造化インタビューを実施して詳細な検証を行う。 検証においては、システムの使用前・使用後とで、技の運動がどのように変容したかをビデオ撮影して、撮影したものを柔道指導者に判定してもらう必要がある。その際、判定に必要な客観的な評価指標や尺度などは、柔道指導者と連携して推進を図る。 最後に、システムの技術的な部分、使用方法について、教育工学の専門家とシステムエンジニアと総合的に議論し可能な限り改善して行く。
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