2011 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー同位体分光による古水温の高精度復元法の開発
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23681006
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
坂井 三郎 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 技術研究副主任 (90359175)
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Keywords | 環境変動 / 酸素同位体 / レーザー分光 / 古水温 |
Research Abstract |
本研究の目的は,生物源炭酸塩に保存される酸素同位体から過去の「水温」と「海水の酸素同位体比(塩分あるいは氷床量)」の情報を同時に検出するための高感度レーザー方式同位体分光法を開発することである。 平成23年度は、質量数44、46、47の二酸化炭素の酸素同位体を高精度かつ実用レベルの試料量で検出する「高感度レーザー分光」と従来の「リン酸-炭酸塩の反応による二酸化炭素精製法」をリンクさせた炭酸塩の高感度レーザー方式酸素同位体分光法の構築を行った。 幸いにも本申請提出時の平成22年度から交付に至る間に、レーザー分光装置およびレーザー素子の技術革新が進み、申請時の装置仕様よりも精度の高い分光システムの構築が可能となり、実際、そのような装置を導入することができた。前処理ラインについては、「従来から質量分析計で行われてきた二酸化炭素精製法」と「マスフローコントローラを用いた二酸化炭素ガス濃度制御による方法」の2種類の準備を行い、現在進行中である。前者の方法は、リン酸供給に自動輸液ポンプとニードルを採用し、ステンレス製真空ラインを用いて、定量的かつ少量のリン酸滴下と前処理が行えるように工夫した。リン酸との反応温度の制御が重要であるので、すべてのパーツを小型インキュベータの中に組み込んだ。後者の方法では、コンピュータで制御したマスフローコントローラとバルブユニットを採用して、任意の二酸化炭素濃度の混合気体を高精度で作れる仕組みとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度の第一の目的はレーザー分光装置の導入であったが、本装置は前例がなくすべて新規技術が組み込まれたものであったため、完成までに時間を要し、導入時期が平成23年度後半にずれ込んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に導入したレーザー分光装置の新規技術を確実とするために、装置の特性理解のための基礎実験を平成23年度に引き続き実施する。それを踏まえた上で、申請時の平成24年度計画に則り研究を進める。
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Research Products
(2 results)