2011 Fiscal Year Annual Research Report
生体的鉱物学的反応を利用したスラグ系廃棄物の付加価値発現型循環資源化
Project/Area Number |
23681014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 史武 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (00414376)
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Keywords | スラグ系廃棄物 / 生体的鉱物学的反応 / 付加価値発現 / 循環資源化 / 誘導化リン酸処理 / 有機アパタイト複合層 / 生体親和的表面 / 環境浄化機能 |
Research Abstract |
平成23年度では「(1)誘導化リン酸処理による複合層形成技術の開発」と「(2)有機アパタイト複合層による無害化の効果」の2点について実験的な検討を実施した。(1)誘導化リン酸処理による複合層形成技術の開発では、幾つかの有機誘導材を用いて誘導化リン酸処理を施し、その表面形状をSEMで観察した。キトサンが特に層状のアパタイト複合層を形成する上で有利であったが、実験条件の違いによって形状に差が見られるケースがあり、再現性の追加的な検討が必要であることが見出された。引き続き様々な有機誘導材を用いて検討する予定である。(2)有機アパタイト複合層による無害化効果については、環境庁告示19号試験によって無害化の効果を評価した。キトサンやアルギン酸によるアパタイト複合層は、重金属の不溶化効果を示し、特に銅や鉛で顕著であった。しかしフッ素については有機誘導材を用いることで不溶化効果が著しく減少した。有機アパタイト複合層ではヒドロキシアパタイト形成までに至らないことが原因と考えられる。これより、フッ素についても良好な不溶化効果を得られる有機誘導材をさらに検討する必要性があることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおりの成果が得られている。ただしさらなる検討が必要な項目が幾つか見出されたため、次年度に検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進面で特に問題はないため、このまま研究を進めていく予定である。
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Research Products
(7 results)