2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体的鉱物学的反応を利用したスラグ系廃棄物の付加価値発現型循環資源化
Project/Area Number |
23681014
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 史武 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (00414376)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | スラグ系廃棄物 / 生体的鉱物学的反応 / 高付加価値化 / 循環資源化 / 誘導化リン酸処理 / 有機アパタイト複合層 / 生体親和的表面 / 環境浄化機能 |
Research Abstract |
スラグ系廃棄物に環境浄化機能を発現させて天然資源に勝る高付加価値化を狙い、生体親和的表面形状の有機アパタイト複合層をスラグ表面に形成する技術(誘導化リン酸処理)を開発することが本研究の目的である。 平成24年度では平成23年度に引き続いて「①誘導化リン酸処理による複合層形成技術の開発」と「②有機アパタイト複合層による無害化の効果」の2点について実験的な検討を実施した。①誘導化リン酸処理による複合層形成技術の開発では、幾つかの有機誘導材を用いて誘導化リン酸処理を施し、その表面形状をSEMで観察した。昨年度はキトサンが層状のアパタイト複合層形成に有利であることを見出したが、グアニジン酸なども実験条件によっては層形成に有効であることを見出した。なお、最終年度においても引き続き様々な有機誘導材を用いて検討する予定である。②有機アパタイト複合層による無害化効果については、環境庁告示19号試験によって無害化の効果を評価した。銅、鉛、鉄、クロムなどで不溶化効果が大きく現れており、有機アパタイト複合層の中には優れた酸耐性能力を持つものがあることを示している。昨年度の課題としたフッ素の不溶化効果については重金属と溶出傾向が異なっており、有効な不溶化効果およびそのメカニズム解明について課題を残した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関を異動したため(九州大学から東京工業大学)、実験設備を一から再構築せねばならず、実験環境の整備に多くの費用および時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
所属機関の異動によって研究の達成度にやや遅れが生じているため、最終年度にその遅れをカバーするよう研究遂行ペースを速める。 具体的にはこの研究テーマに従事する院生を複数名割り当て、実験に十分なマンパワーを確保する。(なお、新規に研究室に入った学生(院生)をすでに割り当てており、実験・研究を速やかに遂行する環境は整えている)
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Research Products
(3 results)