2012 Fiscal Year Annual Research Report
量子ネットワーク構築のための固体における単一発光中心の研究
Project/Area Number |
23681017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水落 憲和 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (00323311)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 量子情報 / ダイヤモンド / NV中心 |
Research Abstract |
本研究では量子ネットワークの構築のための室温動作する量子情報固体素子実現に向けた基盤研究を主にダイヤモンド中の窒素‐空孔複合体(NV)中心を用いて行っている。スケーラビリティという観点から数量子ビットを持った多くの量子レジスタを量子もつれ状態にして量子ネットワークを形成し、量子計算・量子暗号通信を実現しようという理論提案がある。NV中心はこのアーキテクチャで要求している数量子ビットの量子レジスタとして期待できる。その量子レジスタとしては最低でも4量子ビットが量子ネットワーク形成には必要であるとの理論提案があるが、最近我々は4量子ビットでの量子もつれ生成に成功した。固体では量子ビットを増やすことは難しく、我々の知る限り固体では我々の結果が量子もつれ生成した最高量子ビット数となる。 また、これまで我々は単一光子の電流注入による発生に室温において成功していたが、成果は今年度、Nature Photonics誌に掲載された。世界で初めてとなる、室温で電気的動作により単一光子発生素子の実証を成功した例である。 近年、我々は固体材料の中でも、室温動作、広範囲な発光波長、長いスピンコヒーレンス時間等の観点から、ダイヤモンド以外のワイドギャップ半導体にも注目して研究を行っていた。SiCに注目し、単結晶及びナノ粒子での研究を行い、SiC単結晶及びナノ粒子で、室温で光検出磁気共鳴を観測することができていたが、今年度は照射実験によりその信号強度を増やすことに成功した。応用の観点から重要な知見と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標の一つであった量子ノード素子に必要となる各種の量子情報処理の室温での実証に関して、4量子ビットでの量子もつれ生成に成功し、研究は順調に進んでいると考えている。また、他の材料における単一常磁性発光中心の探索でも新たな欠陥の観測に成功してきており、順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度はおおむね順調に計画を進めることができており、平成25年度も計画通りに進めたいと考えている。特に、スピン状態の量子操作や演算の実証研究や低温における光学特性評価に注力して行く予定である。
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Research Products
(17 results)