2011 Fiscal Year Annual Research Report
内的・外的要因を取り入れた生体分子モーター能動的自己組織化法の確立
Project/Area Number |
23681019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角五 彰 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (10374224)
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Keywords | 生体分子モーター |
Research Abstract |
生体分子モーターの高次元集積に向け、構造情報デザインや機械的摂動などの新たなパラメーターを取り入れた能動的自己組織化法を確立することを目的としている。以下に具体的な研究課題と実施内容を挙げる。 1)立体構造をデザインした生体分子モーターの能動的集積法の確立:微小管の螺旋構造をデザインした生体分子モーター集積法を確立することを目的とし、23年度は、微小管の螺旋構造は重合条件で制御しその構造をTEMで評価してきた。 2)気/液・液/液界面を利用した生体分子モーターの能動的集積法の確立:気/液/固などの界面は粒子の二次元規則配列場として利用されてきた。このような空間的制約や境界条件下での生体分子モーター集積法の確立を目的とし、23年度は境界面や膜厚の動的制御可能な集積チャンバーを作成してきた。 3)凹凸構造可変な表面を利用した生体分子モーターの能動的集積法の確立:微小管などの剛直棒状分子は表面に凹凸構造などがあるとエントロピー的効果により自発的に秩序配列すると考えられる。23年度は一軸圧縮による表面凹凸構造や溝方向の動的変化に対する生体分子モーター運動の応答挙動について調べてきた。 4)伸展刺激を組み合わせた生体分子モーターの能動的集積法の確立:本研究では生体分子モーターの集合体形成における一軸伸展刺激の影響、さらに伸展刺激に対する構造秩序の再構築機能についての検討を行う。23年度はまず足場材の最適化と分子モーターの固定法を確立し、平行して伸展装置の設計開発を行ってきた。 5)二次元集合体を鋳型とした生体分子モーターの逐次的三次元集積法の確立:パイロット実験として課題2)で作成した二次元リング状集合体を一次鋳型とし三次元への集積が可能であることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度に掲げた5つの課題1)構造制御および評価、2)集積チャンバーの設計開発、3)表面構造と運動性との相関解析、4)伸展装置の設計開発、5)三次元集積法の探索が当初の予定通り達成された。これらの成果から、当初の目的に対し概ね達成できたと評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記課題を引き続き推進していく。具体的には以下のように進めていく。1)立体構造をデザインした生体分子モーターの能動的集積法の確立:24年度以降はリング状微小管集合体の作成および運動発現との運動特性解析を行う。これら構造/機能情報の相関から非対称回転運動の発現機構を明らかにしていく。2)気/液・液/液界面を利用した生体分子モーターの能動的集積法の確立:24年度以降は顕微鏡と組み合わせたリアルタイム観察系を構築し集合体の形成過程を解析する。3)凹凸構造可変な表面を利用した生体分子モーターの能動的集積法の確立:24年度以降は凹凸構造の変化に対する分子モーター集合体構造の自己保持能力などについて評価していく。4)伸展刺激を組み合わせた生体分子モーターの能動的集積法の確立:24年度以降は伸展刺激下での分子モーター集積を実現するとともに生体分子モーター集合体の自己修復機能に及ぼす影響について調べていく。5)二次元集合体を鋳型とした生体分子モーターの逐次的三次元集積法の確立:上記課題で得られる二次元リング状集合体や配向微小管集合体などを一次鋳型とし、その表面上で再び能動的自己組織化を全く同じ手順で行う。これを複数回繰り返すことで自己複製的に多層集積体を構築する。
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Research Products
(7 results)